2019年4月16日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のクリーブランドインディアンス戦で今季5試合目の先発したシアトルマリナーズの菊池雄星のピッチングを元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日の菊池の投球内容
6回23球 被安打5 奪三振5 与四球3 失点3
今季0勝1敗 防御率4.23(4/16の試合終了時点)
菊池の試合後のコメント
菊池 ここ3試合、初回に点を取られてしまって立ち上がりはスゴく大事にしていたんですけど、また同じような結果になってしまいました。もっと工夫できたところはありますけどね。まあ立ち上がりで軸となるボールを見つける前に流れがあっちにいってしまったなと思います。
黒木の解説
アナ メジャー初黒星を喫した菊池投手ですが、ただ内容的に6回3失点とクオリティスタートでした。
黒木 そうですね。イニング別で見てみますと。
球種割合 | |
1回~3回 | 4回~6回 |
フォーシーム 60% | フォーシーム 55% |
スライダー 27% | スライダー 15% |
カーブ 13% | カーブ 30% |
黒木 4回以降はしっかり修正をしてますよね。これが菊池投手の持ち味でもありますし。
アナ はい。
黒木 前回はスライダーを使って4回以降を抑えていました。
黒木 今回に関してはカーブの割合をちょっと増やしていいピッチングをしましたね。
アナ 修正能力が高いということですね。
黒木 はい。
アナ そして本人のインタビューでも立ち上がり初回の失点について語っていましたが、失点を防ぐにはどうしたらいいんでしょうか?
黒木 僕が思うのは「大胆に攻めること」だと思います。
アナ なるほど。菊池投手は3試合連続で初回に失点していますよね。
黒木 はい。序盤はフォーシームをしっかりと投げてはいます。そして球の強さもあるんですが、やはり立ち上がりということで結構厳しめにコースを意識しながら投げてるような感じがしたんですよね。
アナ はい。
黒木 そうするとカウントが少し悪くなり、カウント負けをして打たれてしまうこともあります。
アナ それで「大胆に攻めろ」ということですね。
黒木 はい。今日は4回以降に少し大胆に真ん中近辺に力強いストレートを投げてるんですよね。そうすると空振りであったり、ファウルになったりでカウントがしっかりと整うわけです。
アナ はい。
黒木 そのカウントを整えた上でカーブを投げたりすることによって、いいピッチングに繋がったというところですよね。
アナ なるほど。
黒木 今日は相手先発のバウアーがそういう良いピッチングを見せてくれたんですよね。
アナ 確かにバウアー投手は序盤から飛ばしている感じがありましたよね。
黒木 はい。イメージで言いますと、スライダーであったりチェンジアップの投手だと思うんですが、実はフォーシームを真ん中近辺に力強く投げているわけですよ。
アナ はい。
黒木 それで空振りやファウルを取るというところで、カウントを整えて最後の勝負球に厳しめのスライダーやチェンジアップを投げてゲームを支配してましたね。
アナ はい。
黒木 今日の菊池投手の序盤はフォーシームをコーナーを狙っていましたけど、バウアー投手は真ん中近辺で押し込んでいました。更にスピード表示は菊池投手とバウアー投手でそれほど変わらないんですね。
この日のフォーシーム比較 | ||
平均 | 最速 | |
菊池雄星 | 149.8キロ | 154.4キロ |
バウアー | 152.4キロ | 154.8キロ |
アナ そうですね。
黒木 ですからそれだけ通用するフォーシームを持ってるわけですから、軸となるボールは何かと言ったら、僕は強いストレートだと思うんですよ。
アナ うーん。
黒木 その強さもストレートをしっかりと投げ込んでいって、そこからストライクゾーンを広げて配球をしていくと間違いなく勝ち星がついてくるんで。思い切ってバッターと勝負してもらいたいなと思いますね。
以上です。