2019年5月16日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.シンシナティレッズ戦に先発し、6回途中2失点で勝ち負けつかずの内容のシカゴカブスのダルビッシュ有のピッチングについて黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日のダルビッシュの投球内容
5回1/3 102球 被安打5 奪三振11 与四球0 失点2
2勝3敗 防御率5.14(5/16の試合終了時点)
マッドン監督の試合後のコメント
マッドン 彼自身が内なるものを今日は投げていたよ。
ダルビッシュの試合後のコメント
ダル 今日の内容だったら勝ちたかったですけど。チームが勝ってほしかったんですけど、こういうことになって自分を信じてじゃないですけど、カッターが良かったので、どんどんストライクゾーンに投げていれば大丈夫だと。ファウルで粘られても、たとえフォアボールを出していいやと思って一生懸命思い切り投げました。
黒木の解説
アナ ダルビッシュ投手、惜しくも3勝目とはなりませんでしたが、11奪三振の好投。心配されていたフォアボールもゼロでした。
黒木 まあしっかりと打者と向き合って勝負していましたよね。フォアボールは出るもんだという思いでしっかりと投げることによっていいピッチングが出来ましたね。
アナ 開き直れたということなんですが、なぜ克服できたんでしょうか?
黒木 フォーシームのコントロールにスゴく苦しんでいましたよね。
アナ はい。
ただ、今日見てもらいたいのはカットボールとスライダーですね。この変化球のストライク率が非常に上がったんですよね。
ダルビッシュのストライク率 | ||
前回登板まで | この日 | |
カットボール | 52% | 68% |
スライダー | 52% | 63% |
黒木 変化球でしっかりと組み立てることによってフォアボールが減りました。そして今日は何よりカットボールが素晴らしかったですよね。
アナ なるほど。
黒木 今日はフォーシームではなくカットボールを軸にして投げていました。これがしっかりと枠の中に入りカウントを整えることができましたので、ピッチャー優位なカウントを作れましたよね。
アナ はい。
黒木 そうなってくると自分の間合いで投げることができますから、ゲームメイクもできたと。そして今日は11奪三振のうち6つの三振でカットボールが決め球でした。ですから、非常にいいピッチングに繋がったと思います。
アナ カットボールが効果的だったと。そしてダルビッシュ投手は前々回の登板後に「僕はパワーピッチャーじゃないので、もっと変化球を投げないとダメ」と話していたんですよね。これが結果に結びついたんですかね。
黒木 はい。基本的にはパワーピッチャーなんですよ。
アナ はい。
黒木 僕らにとってカットボールは真っ直ぐ系の速い球と考えるんですけど、ダルビッシュ投手のカットボールって物凄く曲がるじゃないですか。だから変化球のくくりでいいと思うんですよね。その変化球のくくりのカットボールとスライダーをしっかりとストライクゾーンに投げられる。そうすると自分が投げたいラインが見えてくる。そうなってくると、ストレートがもし良くなったら、もっとスゴいピッチングが出来るようになるのでワクワク感が出てくるんですよね。
アナ そういうことですよねぇ。
黒木 ですから、これからやらないといけないことは、当然カットボールとスライダーを投げないといけないですけど、ストレートもしっかりと投げられるようになること。その時に本当のダルビッシュが見られることを期待しています。
以上です。