2019年5月22日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日の vs.ボルティモアオリオールズ戦で早くも9勝目をあげたニューヨークヤンキースのハーマーン(ヘルマン)の投球の特徴を黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日のハーマーンの投球内容
5回93球 被安打5 奪三振5 与四死球2 失点3
今季9勝1敗 防御率2.60(5/22の試合終了時点)
ハーマーンの試合後のコメント
ハーマーン 言い過ぎかもしれないが完璧に近い投球だった。失点もしたが5回を投げ切れたのは良かった。
黒木の解説
アナ ヤンキースが投打ともに圧倒し、ハーマーン投手はなんと5月時点で9勝目です。
黒木 怪我人が多い中でバックアップ的なピッチャーのイメージだったのでまさか9勝するとは思いました。
アナ はい。
黒木 ここまで取り上げられなかったのが申し訳ないです。
アナ 本当に素晴らしいピッチングでした。そしてこの9勝は現在メジャーで単独行動トップなんですが、47試合目で9勝というのはヤンキースのチーム記録で1958年ボブ・ターリーさん持つ記録と並んだそうです。
黒木 はい。実際にいいピッチングをしていると思いますし、勝ち運もあると思うんですよね。でも今日見てて思ったのが、ホームベースを上手く広く使っていました。
アナ なるほど。そこが今日の良かったポイントだと。
黒木 はい。その辺りを見ていきたいと思います。ハーマーン投手のツーシームとカーブの比較なんですけど、投げ出した瞬間は同じポイントからのボール軌道です。
アナ はい。
黒木 バッターからすると最初は同じように見えるんですけど、途中からカーブが左バッターの方に斜め下の方に変化し、ツーシームが右バッターの方に変化します。特にツーシームがスゴく動きます。
アナ はい。
黒木 このツーシームとカーブの幅は60センチもあります。ですから、ベース板の大きさ以上の幅でピッチングをしている。ここが9勝を叩き出した要因。
アナ なるほど。
黒木 実際にバッターはツーシームを振っている時は真ん中だと思って振っていると思いますが、あまりにも曲がるので打った瞬間に自打球になっているという。
アナ 今日の試合でもありましたね。
黒木 これはなかなかないです。恐らく左ピッチャーが投げる食い込む変化球のような軌道だと思いますよ。そしてカーブはまあまあスピードもありますし、曲がり幅も大きい。そして斜め下に落ちていきますので、このカーブもなかなか手が付けれない感じですからね。
アナ しかも同じ軌道から変化していくんですよね。
黒木 そうですね。
アナ そして今日のカーブのデータを見ると、更にスゴさが分かります。93球のうち33球がカーブでストライク率はなんと73%で、そして今日はカーブの被安打がゼロということです。
黒木 非常に高いですよね。それでストライクを取るだけじゃなく、ちゃんと勝負球にも使われていますよね。
アナ はい。
黒木 どちらかと言うと大きいカーブとか速いカーブではなくて、その中間のような斜めに曲がっていくような、僕らが言うスライダーとカーブが混ざっているスラーブのような感じ。そのスラーブとツーシームの幅60センチを使っての投球ですから、今後も勝ち続けると思いますね。今後も注目してください。
以上です。