2019年5月26日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.シンシナティレッズ戦に先発し8回途中6失点で勝ち負け付かずの内容だったシカゴカブスのダルビッシュ有の投球を黒木知宏がフリーアナウンサーの上田まりえと共に解説しています。
この日のダルビッシュの投球内容
7回0/3 108球 被安打12 奪三振5 与四球2 失点6
今季2勝3敗 防御率5.40(5/26の試合終了時点)
ダルビッシュの試合後のコメント
ダルビッシュ 試合前からなるべく長いイニングを投げてほしいという監督のコメントを見てますし、最近はブルペンも疲れてるし、良いピッチングじゃなくてもいいからとりあえず長いイニングを投げたいと思っていた。そんなに悪い球を投げているわけじゃないんですけど、いっぱいカットを投げているのも向こうは分かっているでしょうし。スライダーはボールでもいいからちょっと奥行きのある球を混ぜた方が良かったかなと思います。
黒木の解説
アナ ダルビッシュ投手は監督の指示通り、8回途中までを投げ、今シーズン最長のマウンドとなりました。
黒木 苦しみながらも7回を投げ切って、8回途中まで投げたのは良かったかなと思います。今日は初球ストライクというのが多かったですよね。
アナ はい。
黒木 今日ダルビッシュ投手が対戦したバッターは34人中27人で初球にストライクが取れたんですよね。非常に先手を取ったピッチングになりましたよね。
アナ 今シーズンはこれが出来てなかったんですよね。
黒木 先に先手を取ることによって球数も少なくなりますし、自分のタイミングでボールを投げられるようになりますよね。
アナ はい。
黒木 今までのダルビッシュ投手だと調子が良くなくて右バッター付近に抜けることもあったり、デッドボールもあったり、あとは引っかけちゃうようなこととか。
アナ バウンドしちゃうというのもありましたよね。
黒木 今日はそういう球がほとんど抜けることがなかったんですよね。ですから球数も少ない状態でバッターもコンタクトしてくれて、尚且つイニングも8回途中まで投げられたということですから。まあ良かったと思うんですけどね。
アナ やっぱり初球にストライクを取れると、組み立てが楽になってきますよね。
黒木 ストライク先行になりますとピッチャー優位になってきますからね。ただ、初球ストライクを取るということでちょっともったいなかったのがプイーグに対するところだったんですよね。
アナ ホームランを打たれたシーンですね。
黒木 はい。3回表にプイーグを3球で三振に取る場面では甘い球もあったんですけど当たらないんですよね。それで色んなことを察するダルビッシュ投手ですから、今日プイーグは当たらないという思いがあって、尚且つ長いイニングを投げなきゃいけないというところで5回表のプイーグの打席ではカットボールで簡単にストライクを取りにいったんですよね。それをホームラン打たれてしまったというところでしたね。
アナ はい。
黒木 ピンチを抑えてのプイーグに被弾でしたから、ここがちょっともったいなかったなと思いましたね。
アナ そうですよね。結果的に6失点というのは多いなと思うんですけどね。
黒木 そうなんですよ。このプイーグに対して初球をしっかりと投げていれば、もしかするとホームランがなくて8回まで投げ切れて3失点で勝ち投手になれたんじゃないかなとちょっと思うんですけどね。
アナ 内容が良かっただけにもったいなかったなというところですね。
黒木 そうですね。
アナ ただ、ダルビッシュ投手は今季最長イニングを投げました。今後のピッチングはどうなると見ていますか?
黒木 今までは自分の体と相談しながら投げていて、それからはストライクゾーンで苦しみましたよね。それを克服してこういう状況になりましたので、あとはバッターと本気と勝負できるような状況になってきましたよね。
アナ 何かフィジカル面で問題があるとかではないですよね?
黒木 ないと思いますね。球速も出ていますし、しっかり8回途中まで投げられる体力もありますからね。あとは内に秘めた闘志で戦っていると思うんですよね。
アナ はい。
黒木 今までだとピンチで抑えた時にガッツポーズがあったじゃないですか。
アナ 過去はそういうものが出ていましたよね。
黒木 今後はそれを見たいので、もっと早いイニングから見られるようになってくると本来のダルビッシュ投手になってくると思いますけどね。
以上です。