2019年6月5日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.トロントブルージェイズ戦で先発し6回4失点で負け投手となったニューヨークヤンキースの田中将大について黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
この日の田中の投球内容
6回85球 被安打6 奪三振2 与四死球3 失点4
今季3勝5敗 防御率3.42(6/5の試合終了時点)
黒木の解説
アナ 田中投手、序盤が良かっただけに悔やまれますね。
黒木 まあ本来は低めに投げるピッチャーなんですよね。今日見ていると頻繁に高めを使っていたんですよね。その高めのボールの出来がカギを握っていましたね。
アナ なるほど。何故高めのボールを多投したんでしょうか?
黒木 最近スプリットに対してのストレスを少し感じてますよね。そして低めに対してバッターがなかなか反応してくれないというのがあって、高めを使って低めを反応させようというのがあったと思うんですよね。
アナ なるほど。
黒木 まあキャッチャーのサインで高めを投げていたというのが試合では見れましたね。
アナ 確かに要求通りに投げているシーンがありましたよね。4回裏にゲレーロジュニア選手に対する2球目ではキャッチャーが中腰で高め要求でした。
黒木 まあしっかりとインコースの高めを投げているんですよね。この辺はさすがだなと思いました。
アナ はい。
黒木 ただ、ゲームを見ていてあんまり高め要求のボールをしっかりと投げるというのは過去にはあんまり見てないんですよね。
アナ 今まではあまりなかったと。
黒木 はい。だから田中投手はどういう意図で、またベンチやバッテリーとの話し合いをして色々とやったと思うんですけど、とにかく低めを生かすために高めを要求したという形だったと思うんですよね。
アナ なるほど。序盤ではある意味、効果的に使えていたと思うんですが、5回以降の高めのボールはどうでしたか?
黒木 コントロールにバラつきが出ましたね。
アナ 何故バラつきがでたんでしょうか?
黒木 それほど高めに投げるピッチャーじゃないので、高めの球数が増えたところから少しバラつきが出たのかなという感じがしますね。
アナ なるほど。5回裏にはグリチェク選手に対する高め要求の球を投げ切れない場面がありました。
黒木 ここでは引っかかって左バッターの方にボールが流れましたよね。
アナ はい。
黒木 そしてこの後にホームランを打たれたんですよね。それで普段高めを投げないピッチャーが引っかけるボールを投げることによって、ちょっとバランスだったり、感覚が鈍ったりすることがあるんですよね。
アナ なるほど。
黒木 その結果としてホームランを打たれましたし、序盤ではしっかりと高めを投げられましたけど、中盤から後半にかけては上手く投げられませんでしたよね。結局そこでバランスを崩しましたよね。
アナ 今後も高めの球を使うようになっていくんでしょうか?
黒木 使う可能性はあると思いますね。ただ、田中投手って低めを投げる投手なんですよね。
アナ はい。
黒木 低めを投げるようになって、序盤のようにある程度、高めが投げられるようになって割合を少し増やすことによって投球の幅も広がってくると思うんですよね。そうなってくると、もっともっといいピッチングが出来ると思うんですよね。
アナ はい。
黒木 それでもやっぱり低めにどれぐらい投げ込めるかどうかというのが田中投手の調子のバロメーターかなとは思います。
以上です。