2019年6月6日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.コロラドロッキーズ戦で先発し6回途中3失点で勝ち負け付かず。シカゴカブスのダルビッシュ有の投球を黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
ダルビッシュの試合後のコメント
ダル 気持ち良く、自信を持って投げられました。前やったら「ストライク投げらないと」というレベルだったんですけど、今はそういうこともなくバッターのことを考えて「どうやってアウトにしたろかな」と考えてできていると思います。一個一個、前進できているというか、内容としてはいいと思うので、どんどん良くなっていると思います。
黒木の解説
今季2勝3敗 防御率4.88(6/6の試合終了時点)
アナ 1ヶ月以上、勝利から遠ざかっているダルビッシュ投手ですが、それでもインタビューを聞く限りでは状態は良さそうですよね。
黒木 まあ我慢強く投げてますし、フォームもバランス良く投げられていますよね。今日特に良かったのがスライダーです。これは非常に決まっていました。
アナ では、その投球を映像で振り返ります。
黒木 今日に関して言うとスライダーで空振りが取れます。前回登板ではスライダーの空振り率が非常に少なかったんですよね。
アナ はい。
黒木 大きく曲がるスライダーでダルビッシュ投手らしいスライダーですね。そして今日の空振り率が67%なんですよね。
スライダー空振り率(STATCAST) | |
前回(5/31) | 今回(6/6) |
0% | 67% |
黒木 そこで丁寧に投げることによっていいピッチングに繋がりましたね。
アナ そうですね。そして前回と今回で球種を比較しても今日はやはりスライダーの割合が増えているんですよね。
by STATCAST | 前回 | 今回 |
カットボール | 43% | 49% |
フォーシーム | 33% | 26% |
スライダー | 5% | 12% |
ツーシーム | 14% | 7% |
カーブ | 3% | 5% |
黒木 そうなんですよね。前回は5%という状況でした。そして今日は12%に上がりました。先ほどの数字にもありましたが、前回はスライダーの空振り率が0%でした。
アナ はい。
黒木 そして今日は67%になりました。僕は以前に、「ダルビッシュ投手はパワーピッチャーじゃなくて変化球投手である」ということを言いましたけど、ストレートもいいんですけど、ダルビッシュッ投手のスライダーというのは本当に大きく曲がるスライダーなんで、そのスライダーを使い始めたというところで今日は割合が増えていきましたよね。
アナ はい。
黒木 このスライダーが復活へのカギになると思います。
アナ なるほど。そして黒木さんは今日のピッチングで気になったことがあったんですよね。
黒木 はい。4回表にアレナドに投げたスライダーなんですよね。いいスライダーを投げたんですけど、その直後に少し指先を気にする仕草をするんですよね。薬指っぽいんですけど、恐らくマメができたのか、皮が剥がれたのかという状況だったのかなと思うんですけど。
アナ はい。
黒木 その後から違和感が出たのか、スライダーのキレや曲がりがちょっと変わったんですよね。ただ、これはマイナスではないと見ているんですよね。
アナ それはどのようなところなんでしょうか?
黒木 実はキャンプの時にスライダーがスゴく良かった時期があったんですよね。そこで3月19日のキャンプの時に薬指の皮が剥けたんですよね。
黒木 この時に近いスライダーを今日は投げていたんですよね。なので自分が投げている、手応えのあるスライダーになった事によってマメであったりとか、皮が剥けた可能性があると考えると、ダルビッシュ投手の本来のボールになりつつある証なのかなと僕は思いましたので。
アナ なるほど。
黒木 なので完全復活も近いのかなと思いました。復活のカギはスライダーだと思います。
以上です。
黒木 そうなんですよね。