2019年12月7日にBS1で放送された『球辞苑』で3塁ベースコーチの役割、極意などを阪神タイガースの藤本敦士コーチが語っています。
単打の場面 | 本塁を狙った回数 | 成功 | 率(%) | ||
1位 | 西武 | 148 | 104 | 103 | 99.0 |
2位 | 広島 | 150 | 90 | 89 | 98.9 |
3位 | 中日 | 126 | 85 | 84 | 98.8 |
4位 | 阪神 | 147 | 103 | 101 | 98.1 |
5位 | ロッテ | 150 | 101 | 99 | 98.0 |
もくじ
3塁コーチを務めて
―2019年、初めて3塁ベースコーチを務めた感想
藤本 今までタイガースで三塁コーチをやっている人たちをスゴい尊敬します(笑) よくやっていましたね(笑) もう逃げ出したい時もありましたし。止めたら、結構ファンから「わー」って言われるんで「回せよ!」って(笑) 止める理由があんねんっていうね。
―野次やられた時は?
藤本 グッと我慢です(笑)
3塁コーチの技法
―GOとSTOPの基本的な判断
藤本 外野手が捕球します、ランナーが3塁ベース踏んでます、っていうのが勝負どころですね。(※ランナーが3塁ベースをタッチするのが外野手の捕球よりも早ければGOで捕球の方が早ければSTOP)
この場面だとランナーのベースタッチが早いのでGO
―それ以外の要素
藤本 外野手の肩、走力をまず頭に入れて。そして捕球した位置、捕球体勢。更に外野手がつまらされて捕ったのか、勢いつけて捕ったのか。
―それは一瞬で判断する?
藤本 まあ外野の動きを見ながら、ぼやけてじゃないですけど、ちょっと外野手をメインにしてランナーをぼやけさせて「この辺に来てる、この辺に来てる」っていうのを見てますね。
―打球方向別の走者のSTOPのタイミング
藤本 ライト方向に打球が飛べば、3塁コーチはけっこう2塁ランナーを引っ張れるので(ギリギリまで回せる)。ライトから3塁ベースまでは距離が遠いので、長く引っ張って止めることができるので。
―ライトに飛んだらどこまで引っ張る?
藤本 (塁間の)約3分の1くらい引っ張れますね。
―レフトの場合は?
藤本 レフトだとサードベース少し回ったくらいのところでしっかり止めないと。パンパンとカットプレーで繋げれて、すぐにサードに送球されるとアウトになってしまうので。
―3塁ベースコーチの技術上達法
藤本 ここにどういう打球が飛べばっていう、一つ一つの準備っていうのを一応全部予測しながら。
ーそれだと無数にパターンがあるが・・・
藤本 そうですね。外野手の守備力と足にしても、肩にしても、そういうのもしっかり頭に入れて。相手のシートノックとかも見てどういう肩をしてるのか、今日の調子はどうなのかをベンチで見てましたけどね。
―最も警戒している外野手は?
藤本 僕の中ではセ・リーグでは、巨人の亀井選手と広島の鈴木誠也選手。この2人は僕の中ではスゴいマークしてましたね。
ー亀井の特徴
藤本 亀井選手は捕ってからも素早い送球ができますし、ストライク返球率が多分高いんですよね。
―鈴木誠也の特徴
藤本 鈴木誠也選手の場合は、なんとなく回させようとしてやられてるのかなっていう部分をスゴい感じましたね。上手い選手というのは「回せ回せ、よっしゃ回しよった」ってなってホームに投げる。わざと回させるっていう選手がいるので。鈴木選手はそういう感じで守ってるんじゃないのかな。
3塁ベースコーチのサイン
―どのようなしてサインを出している?
藤本 どのように?それは(企業秘密で)全く言えないでしょ(笑) サインはさすがに(笑)
―サインは誰が考えてる?
藤本 サインは自分が考えてます。
―タイミングやタッチ数の多い少ないとか?
藤本 それは考えますね。短めでやって「(サインは)ありませんよ」って感じの時もありますし、長めにやってサインがない場合もあるし、ある場合もあるし。何もかもうまい具合に統一させたいというのが僕の気持ちですね。
―サインの練習はするのか?
藤本 やりたての時はしてましたね。鏡を見ながら触ったりして。「なんかギクシャクするな~」みたいな(笑) たまに(左手で右耳を触って)クロスして「いや、こんなんないやろ!」って(笑)
藤本コーチにとって3塁コーチとは
藤本 僕にとってはスゴい地獄ですけど(笑) 地獄ですけど、スゴくやりがいもありますし、10人目の人間としておれるなっていう立ち位置ではいますね。
以上です。