2019年12月7日にBS1で放送された『球辞苑』で1塁ベースコーチの役割、極意などを福岡ソフトバンクホークスの本多雄一コーチが語っています。
―視聴者から1塁ベースは何をやってるかという質問が
本多 それ絶対に思うと思います(笑) 何もしてないわけではないですよ。
―1塁ベースコーチの役割
本多 例えばピッチャーのクセ盗みですよね。色々ピッチャーの姿を見ていると、やっぱりホームに投げるのか、牽制なのかというのが段々分かってくるんですよね。例えば5回首を振れば(頷けば)ホームに投げるとか、3回だと牽制だとか。そういうクセを、ベンチでは分からなくてもここ(1塁コーチボックス)では分かるんですよね。
―選手への伝達
本多 選手とよく背後からボソボソと喋ってるじゃないですか。その時に色々と作戦を喋ってますよ。変化球が多いカウントなのか、真っ直ぐが多いカウントなのかとか。
更に守備陣形を見て盗塁をした際、相手がベースカバーに入れるかどうかも確認する。そして状況次第では盗塁のサインを自ら出すこともあるという。
―自らサインを出す状況
本多 カモフラージュの場合もあったり、カモフラージュもなくて、何もシーンと(仁王立ちで)立っていて、どこかでサインを作ったり(出していたり)ですね。
―何もアクションを起こさずに立ってるだけでサインが盗塁の出てる?
本多 何かで伝えてます。その何かは言えません(笑)
そんな数あるサインプレー中でも工藤監督から絶賛されたのが2019年5月30日のオリックス戦だ。8回表、2アウトで1塁には決して足が速くないグラシアルがランナー。そして打席には4番デスパイネ。強打を警戒した相手内野陣の動きを本多コーチは見逃さなかった。
―オリックス内野陣の隙
本多 セカンドが後ろに下がってたんですよ。セカンドに入れない位置にいたんですよね。
そして深めに守っていたセカンドは2塁に入れず盗塁が余裕で決まる。
本多コーチの機転により一気にチャンスを広げたのだった。その後、デスパイネのレフト前ヒットでグラシアルが生還。この1点が値千金の決勝点となり勝利。工藤監督が絶賛した。
―1塁ベースコーチは何かをしている
本多 1塁コーチはボーッと突っ立てる訳じゃないので。色々と選手と会話して相手を見ているんです。
以上です。
こういう細かい事に気付けるのが強いチームのコーチなんでしょう。