無観客の影響

片岡 やっぱりプロ野球が開幕して、人に与える力というものでスゴく影響があると思うんですけど、今言われたように清原さんは大舞台にスゴく強いというのがあると思います。

 

清原 はい。

 

片岡 ファンの方の応援や声援はかなり力になりましたか?

 

清原 今年無観客という事なんですけど、自分の場合はケースが全然違うんですけど、ナゴヤドームで一度自分への応援がなくなるというのがありまして。

 

片岡 はい。

 

清原 その時に本当に改めてファンの皆さんの応援というものをスゴく感じましたし、その後により一層ファンの方が応援してくれたことで、自分たちがファンの皆さんに力与えてるんじゃなくて、ファンの皆さんが自分たちに力を与えてくれているんだなと感じました。なので今、無観客でやってる選手たちも本当にファンの皆さんの応援のありがたみを感じて試合をやってると思います。

 

片岡 清原さんの野球人生で人から言われて印象に残ってる言葉とか、そういう風な事ってありますか?

 

清原 まあ、基本的に人の話は聞きかないタイプなんで()

 

片岡・野村 ハハハ()

 

清原 やはり野球を始めた時に父親に「野球をやるんだったら絶対にケツを割るなよ」「最後までやり遂げろよ」と。

 

片岡 はい。

 

清原 そういうことと、あとリトルリーグ時代やシニアリーグ時代に指導者に本当に恵まれて、「お前は必ずプロ野球選手になれるから頑張りなさい」って言われたことはスゴく心に残ってますね。

 

 

片岡 立浪さん、今年は無観客で開幕しましたけど、何か感じた事はありますか?

 

立浪 神宮(ヤクルトvs中日)で解説やらしてもらったんですけど、全くいつもと違う雰囲気で、選手がどのようにモチベーションをこれから保てるのかなっていう、ちょっと心配な気持ちになりましたね。

 

片岡 ただ、逆に声援もなかったので、なんか変な緊張感もなかったですか?

 

立浪 いや、緊張感はいつものような開幕戦と比べると、放送席から見ていてなかったですね。

 

片岡 野村さんはどうですか?

 

野村 だから自分がもし選手で、こういう開幕を迎えたってことを考えると、開幕セレモニーがあって、お客さんがウワーっとなった中で鳥肌が立ちながらグランドに入って行くイメージがあるんですけど、それがないっていうのは正直想像できなかったので。

 

片岡 はい。

 

野村 それを経験してる選手達ってやっぱりそこの気持ちの持って行き方が難しかっただろうなっていう感じはしますけどね。

 

片岡 特に今年の場合は開幕がなかなか決まらないっていうの中で選手の調整も非常に難しかったと思うんですけど、特にピッチャーはボールを投げれないじゃないですか。その辺がやっぱり難しかったんじゃないですかね?

 

野村 ボールを投げられないし、対戦もできないし、そして逆算もできないっていう、この3ヶ月っていうのはやはり自分との戦いだったと思いますね。やっぱりもう計画も立てるんでしょうけど、なかなかモチベーションにもならないでしょうし。だから自分でどこまで頑張れるか。頑張った人間が今調子がいいっていう可能性もありますしね。

 

 

片岡 清原さんも現役だったら、なかなか開幕日が決まらないってなんかどこに目標を持って行っていいのか分からないような。

 

清原 やっぱり選手のコンディション作りというのは本当に大変だったと思いますね。バッターというのはオープン戦である程度仕上げていくと思うんですけど、そういう対戦することもできない、生きた球を打つこともできない、そしていきなり開幕を迎えるというのはスゴく難しかったと思いますね。

 

片岡 はい。その割に選手は2週間の練習試合でも結構できるもんだなってのが逆に思ったんですけど、その辺はどうですか?

 

清原 まあ、この開幕っていうのはいい人と悪い人はっきり出ますよね。1本出ると調子も上がってくるし。

 

片岡 はい。

 

清原 そこで3タコ4タコを食らうと、ボーア選手のような形になってしまう・・・()

 

片岡 はい(苦笑) まあ、清原さんもずっと主力でやってこられて、開幕でなかなか波に乗れなかったシーズンもいくつかはありましたか?

 

清原 やはり自分も何本もヒットやホームランを打ってきましたけど、毎年毎年その年のヒット 1本、ホームラン1本出るまでは、スゴい 不安でしたね。

 

片岡 僕らの高校時代の清原さんの印象は、試合前にいつもそのバットを大事にされて、バットと一緒に寝てられたっていうイメージがあるんですけど、プロ野球の開幕前もそういう事をされてましたか?

 

清原 明日開幕という日のバットを選ぶのに2時間ぐらいかかりましたね。

 

片岡 へぇー。

 

野村 家に複数のバットを持って帰って、それを吟味するんですか?

 

清原 基本的にバットは自宅で管理してるんで、明日使うバットを選ぶのに本当に2時間ぐらいかかって、それを綺麗に立てて、「さあ、行くぞ」って感じですね。

 

片岡 スゴく道具を大事にされていた印象がありますよね、野村さん。

 

野村 清原さんと同部屋の時に清原さんは必ずバットを抱いて寝られていたので、僕はバットと寝るわけにはいかないのでボールを持って寝たりしてたんですよ() 高校時代ですけど()

 

片岡 そういう事から僕たちも見習わなければいけないというのを教えてもらいましたよね。

 

野村 はい。

 

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