2020年8月24日に関西テレビで放送された『報道ランナー』で692日ぶりの勝利を飾った阪神タイガースの藤浪晋太郎について山本昌が関西テレビアナウンサーの新実彰平と共に語っています。
アナ 藤浪投手は巨人に3連敗した翌日に登板し、692日ぶりの勝利をあげました。入団以降、これだけの数字をあげていましたから、本当に苦しかったと思うんですよね。
2014年 11勝
2015年 14勝
2016年 7勝
2017年 3勝
2018年 5勝
2019年 0勝
アナ 勝ってヒーローインタビューでは本当にいい顔してましたよね。
山本 本当にいい顔をして投げていましたよね。
アナ 昌さんはキャンプで臨時コーチをして指導もされたわけですが、改めて藤浪選手はどういう人間、どういう選手ですか?
山本 やっぱりね、『野球を極めたい』という気持ちが強い、本当に真面目で野球小僧ですよ。そして周りに色んな事を言われて大変だったと思いますけど、それでもめげずに前向きに野球しているんで精神的に強いと思いましたね。
アナ なるほど。さあ、昌さんから見て藤浪投手はどれぐらい復活したのか。こちらです。
アナ まだ60%と。逆に言うとまだまだノビシロがあるという事ですか。
山本 まだまだ彼にはね。2015年には14勝もしたじゃないですか。
アナ はい。
山本 この時よりも彼の体はかなり進化しているんです。彼がこの時の調子を取り戻したら、本当に無双しまくりますよ。
アナ 無双。敵なし。
山本 敵なしの状態になるぐらいのポテンシャルは持ってます。
アナ ずっと昌さんがおっしゃっていたのは「いいステップを踏んできているんだよ」とこれまでも解説していただいていました。
山本 うんうん。
アナ 昌さんはこういうステップを描いていらっしゃるんですよね。
第2段階 ???
第3段階 ???
アナ 完全復活に向けて3つの段階があると。まず第1段階がこれです。
アナ 『抜ける球をなくす』という。まあ、ここ数年ずっと言われていた部分だったんですが、これは素人目に見ても随分減ったように見えるんですが。
山本 そうですね。キャンプからずっと取り組んできて、彼もひとつポイントを掴みつつある中でキャンプが終わっちゃったんですけど、色んな状況の中で始まってね、まだ今シーズンはデッドボールが1個なんです。(※8/24時点)
アナ はい。
山本 それも左バッターにフォークを引っかけたものだったので抜け球ではない。そう考えると、まだ1軍で投げ始めて、ちょっと2軍時代はバッターの質が違うんでね、1軍のバッターに対して力が入っちゃってますけど、大きく荒れる事はなくなってきました。
アナ それがまたご本人の気持ちを安定させる事に繋がりますよね。
山本 もちろん。
アナ そして第2段階です。こちらです。
アナ 『勝つための投球』です。これを考えられるようになるか。
山本 はい。
アナ これについてはちょっと考えられるようになってるという事ですかね?
山本 やっとこれが始まったばっかりです。
アナ 『勝つための投球』というのは当然のような気もしますが、どういう意味なんでしょうか?
山本 これはね、今までボールがバッターの方に抜けてしまう事の確率が高かったんで、それを何とか減らしていこうと、そういう調整ばっかりをここ数年やっていた。
アナ それはつまり自分との戦いであると。
山本 そうなんです。やっと相手バッターと戦うのにどういうボールを投げれば打ち取れるか、どういう風にやれば調子が上がるか、そういうものを久しぶりにやれるようになってきたと思います。
アナ なるほど。
山本 だからこれが第2段階だと。
アナ 今、このタイミングで相手を見れるようになってきて、尚且つ勝利を考えられるようになってきたというのは昌さんの計画から考えるとどうなんですか?
山本 春のキャンプで僕が考える通りになっています。これからシーズンが長くあれば2桁届いてほしいなというのがあったんですけど、シーズン初めに躓いてしまったんでね。
アナ はい。
山本 ただ7勝か8勝はしてほしいなというのはあります。
アナ はい。さあ、そして第3段階にいきましょう。こちらです。
アナ 『ストレートの進化』が必要であると。スピードでいうと前回登板もMAX155キロでしたが、まだまだ上があると。
山本 先ほども言いましたけど、3年目の14勝の時よりも体の進化が凄いんですよ。凄い体になっているんです。
アナ はい。
山本 その中で3年目のような、あの球の質を投げたら、それこそ前に飛ばないんじゃないかなっていうぐらいのボールを投げられるポテンシャルがありますから。まだここまでは正直行ってないですけど、ただこういうところに自分で持って行けるような技術をこれから身に付けてほしいなと思います。
アナ これは復活というよりも14勝をあげたシーズンの自分を超えるような、ピッチングですよね。
山本 それだけの体になってるんですよ。
アナ なるほど。
山本 だから、これまで低迷していた数年間を無駄にしないで体を鍛えてガッチリしてきたんでね。あの時のフォームに戻って、感覚に戻れば、更に上の160キロで当たらないボールを投げる可能性があります。
第2段階 勝つための投球
第3段階 ストレートの進化
以上です。