2021年1月3日にMBSテレビで放送された『創刊コバヤシコミック』で三浦大輔とケンドーコバヤシが漫画『タッチ』について、そして高校時代について語っています。
三浦にとっての『タッチ』
コバ 三浦さんが人生において影響を受けた作品があると。その作品とは何でしょうか?
三浦 はい。え~『タッチ』です。『タッチ』が大好きなんですよ。
コバ これは意外なとこに来ましたね。野球マンガというジャンルではありますけど、細かく言うと青春恋愛野球マンガですよね、これは。
三浦 そうですね。思春期の頃にドンピシャでしたから。
コバ え?
三浦 小学校から野球を始めて。
コバ あっ、そうか。野球漬けは野球漬けだったんですね。
三浦 野球漬けだったんですよ。それで当時は『ドカベン』とか『キャプテン』とか。
コバ はいはい。『ドカベン』にちばあきおさんの『キャプテン』ですね。
三浦 小学校高学年から中学生にかけて『タッチ』ですよね。恋愛のね。
コバ そうか。中学生とかなるとちょっと気になる女の子とも出てくるわけですね。
三浦 そうですね。まぁ、南ちゃんがいてというところでハマりましたね。
コバ ハハハ(笑)
三浦 ハマりましたねぇ。
コバ それは周りにもちゃんと言えてました?何かキャラクター的に「俺は硬派だぜ」みたいな、そういうキャラクターでいたと思うんですけど。
三浦 え~・・・あんまり公言はしてなかったかもしれないですね・・・。
コバ ハハハ(笑) 何かそんな気はしますね(笑)
三浦 はい(笑)
コバ 一番印象に残ったシーンとかはありますか?
三浦 一番印象に残ったシーンは和也が死んだところ。
コバ あぁ、名シーンですもんね。
三浦 そうなんですよ。
コバ 未だに『タッチ』と言えば語られるのはあのシーンですよ。
コバ これなんか主人公の1人が死ぬときの表紙とは思えないですもんね。
三浦 そうなんですよ。読んでて「えっ!?」と思いましたもんね。
コバ うんうん。
三浦 3人が主人公でずっといってたところで、主人公が死ぬなんてあんまりないじゃないですか。
コバ ないです。
三浦 しかも早い段階で。
コバ 『タッチ』はバトル漫画でもないしね。
三浦 そうなんですよ。そこで遺体安置所に南ちゃんが来て、達也が「きれいな顔しているだろ」と。
コバ はい。
三浦 「ウソみたい。死んでるだぜ」っていう、この場面で誰1人として涙を流してないんです。
コバ 確かに。葬式のシーンでもお父さんもお母さんも涙出てないのか。
三浦 出てないんですよ。
コバ そうですね。
三浦 涙を流してるシーンもなく、泣きじゃくるわけでもなく。
コバ うんうん。
三浦 静かに時が流れているのが漫画でスゴく分かるんですよね。
コバ はいはい。
三浦 それが余計に悲しみを作ってるのかなというので印象に残ってます。
コバ 確かにこの一連のシーンでほとんどセリフ無いんですね。
三浦 それで「この後どうなっていくんだろう」と子供ながらに。また次が読みたくなるっていう感じで。
コバ はいはい。
達也野球部編
三浦 もうみんなが勝つために一丸となったじゃないですか。
コバ うんうん。
三浦 普段は捕れないような打球に飛び付いたりとか。あれは勉強になりましたね。
コバ それは勉強になりましたか?(笑)
三浦 やっぱりチーム一丸となると強くなるんだと。
コバ あっ、そうか。なるほど。
三浦 それでスーパープレーやファインプレーも出たりとか。
コバ はいはい。
三浦 やっぱりあれだけみんなが集中して気持ちを一つにすることは大事なんだと。
コバ ちなみに和也派か達也派というのがあると思うんですけど、三浦さんはどっちなんですか?
三浦 僕はタッチャン。達也ですね。
コバ それは野球選手としてもタッチャンなんですか?
三浦 そうですね。基本、練習が大嫌いだったんで。
コバ そんな事を言うていいんですか?(笑)
三浦 いや、そうなんですよね(笑) 試合は好きだったんですけど(笑)
コバ あぁ、大体スポーツをやってる人は試合は楽しいと言いますよね。でも練習ってただただしんどいですからね。
三浦 しんどいんですよ。
コバ はい。
三浦 練習日よりも試合のある日の方が好きで。もうずっと試合にしてほしいぐらいなんですけど。
コバ はいはい。
三浦 まあ、やっぱりサボり癖というか。
コバ サボり癖?(笑)
三浦 サボり癖というかサボりたい。
コバ ハハハ(笑)
三浦 楽したいんです(笑)
コバ あぁ、気持ちは分かります(笑)
三浦 やっぱり高校の夏の大会が終わってから、冬の練習に入るじゃないですか。
コバ うんうん。
三浦 その時期にちょっと遊びたい盛りが爆発してしまったんですよ。
コバ まあ、年齢的には当然ですよね。
三浦 それで段々とサボりだして。
コバ ほんまにサボってたんですか(笑)
三浦 そうなんです。本当にサボりだして学校も半日で帰ったり、1時間で帰ったり。
コバ いや、それただのヤンキーやん(笑) 見た目通りのキャラやったんですか。
三浦 行かなくなった時期があったんですよ。
コバ そういう時期があったんですね。
三浦 うん。
コバ ほんま状況次第ではそこで野球から離れてた可能性もあるわけですね。
三浦 本当にそうです。高校1年の秋に「野球部辞める」って言いましたし。
コバ あっ、周りにはそう言ってたんですか。
三浦 それで「学校も辞める」と。
コバ はい。
三浦 監督が「じゃあ、みんなの前でそれを言え」って言われたんです。
コバ 発表しろと。
三浦 はい。練習もサボってたんで、監督に連れられてみんなの所に行って「もう野球部辞めます」って言って。
コバ うんうん。
三浦 それでグラウンドを出たら同級生が止めに来てくれて。
コバ 「辞めるな!」と。
三浦 袋にされてボコボコにやられて。
コバ いや、俺の想像してたのと全然違うかった(笑) 袋叩き?(笑)
三浦 ボコボコです。
コバ 「てめえだけズルいぞ!」と。
三浦 いや、ズルいじゃなくて(笑)
コバ あっ、「裏切りやがって・・・」みたいな?
三浦 「戻って来い みんなが待ってるから」と。
コバ はいはい。
三浦 それで引き戻してくれて。青春ですよ。
コバ それいい時代ですね。
三浦 そうそう。
コバ 今では考えられないですね。みんなで「辞めるな!」って言いながらもボコボコにされるという(笑)
三浦 ボコボコです(笑) 泣きながら殴られてたし、みんな殴っていたんで。
コバ 「何でや 俺らとやってるのは楽しくないのか」と。
三浦 「一緒にやろうぜ」と引き止めてくれました。
当時の恋愛事情
コバ 南ちゃんは理想の女性だったんですかね?
三浦 南ちゃんは理想の女性でした。
コバ そうですか。
三浦 高校で野球部に入れば南ちゃんみたいな人がいると思ってましたから(笑)
コバ それは実際どうでした?いました?
三浦 これ「いない」と言うのはね。野球部のマネージャーというのは実際にいましたから(笑)
コバ それはそうですね。
三浦 まぁ、僕の好みのタイプのマネージャーはいなかったですね。
コバ タイプは南ちゃんのように気が弱いわけでもなく。
三浦 しっかり者で出しゃばらずという。
コバ ちなみに番長。
三浦 はい。
コバ これの方はどうだったんでうすか?(※小指を立てて)
三浦 彼女いましたよ。
コバ えっ!
三浦 はい。そのあと別の彼女もいましたけど。
コバ そのあともいた。
三浦 別れて、また違う彼女。
コバ はい。
三浦 いましたけど、それで頑張れるじゃないですか。
コバ けっこういい高校ライフを送ってたんですね。
三浦 女房も高校の先輩ですから。
コバ これ言葉悪いですけど、じゃあ近所手当たり次第みたいな?(笑)
三浦 いやいや(笑) 行動範囲が狭かっただけで(笑)
コバ あぁ、なるほど(笑)
浅倉南論争
コバ いいですかね・・・。三浦さんの大好きな作品にケチつけるような事を言いますけど。
三浦 はい。
コバ 僕、あだち充さんの漫画好きなんですけど南だけダメで。和也のことじゃなくて達也のことがずっと好きやったと言ってたでしょ。「それホンマか?」ってちょっと思ってるんですよね。
三浦 (笑)
コバ あの悲しい7巻の事故さえ無ければ、恐らくですけど上杉和也は甲子園でスターになり。
三浦 うんうん。
コバ 恐らく読売巨人軍あたりに入り。恐らく引退した後もNHKあたりで解説者をやって。
三浦 (笑)
コバ そうやって一回箔を付けてから若いうちに監督になるタイプやと思うんですよ。タイプ的に。
三浦 あぁ。
コバ そして方やボクシング部に入ってね。近所で評判の不良の原田とボクシング部に入って。
三浦 はい。
コバ あの時の達也には将来お金持ちになるような気はしてなかったはずです。お金の匂いはしない。ホンマに達也のことを好きやったのか。それはどう思います?
三浦 ・・・スゴい見方をしてますよね(笑)
コバ ちょっと性格の悪い見方をしてるのは確かですけど。
三浦 これは多分揺れ動いてたと思うんですよね。
コバ うんうん。
三浦 それで多分同時に二人から告白されてたらどっちも選べてなかったと思うんです。
コバ 傷付けまいと。この関係がダメになるのが怖いから。
三浦 そうです。
コバ ちなみに25巻の17ページ。須見高との決勝戦で対決を見守るスタンドなんですけど。三浦さん、ここで南がやっちゃってますよ!
コバ 南は観客席で達也と新田の対決を見てます。その時の南の行動を見てください。隣に座ってる原田の手を握ってますよ。
三浦 原田の手を握ってますね(笑)
コバ 完全に。
三浦 原田もビックリした表情をしてますね。
コバ しかも新田との対戦中にですよ。
三浦 ここはここで名シーンじゃないですか。
コバ 確かに名シーンですねぇ。
三浦 1点リードで1塁が空いてるから歩かせるかどうか。
コバ ここは敬遠をするような場面ですけど。
三浦 その前の打席ではホームランを打たれてるんですよね。
コバ はい。
三浦 だからチームが勝つためには歩かせて次のバッターで勝負という。そこで勝負するんですよね。
コバ 勝負して結果は三振に取って勝ってるんです。
三浦 ファウルで粘られて粘られて、最後に空振り三振で甲子園に出場が決まる。
コバ 言うたら勝負することが賭けですよね。敬遠策の方がええんやけど、もう体力が残ってないと。
三浦 うんうん。
コバ 男の勝負。ここで決めるしかないというところで三振。その間、南は原田と手を繋いでいたんですよ。そして三振で甲子園出場が決定した瞬間、35ページを見てください。
三浦 35ページ。はい。
コバ 勝利が決定した瞬間、手を離して南どっか行ってるんです。
三浦 いないですね(笑)
コバ はい。
三浦 どこ行ったんですかね。ページをめくっていくとベンチ裏にいますね。
コバ ベンチ裏ですね。あと南は新田のバイクの後ろに乗ってる時があったでしょ。
三浦 ありましたね。
コバ あれは俺やったら南に「会うのちょっとやめよう」って言います。
三浦 勘違いしますよね。
コバ すいません。三浦さんの好きな女にゴチャゴチャ文句言って。
三浦 ハハハ(笑)
コバ 良くないことやと思ってます。
もう1つ影響を受けた漫画(おまけ語り)
コバ もう1つ影響を受けた漫画があるんですよね。
三浦 ちょっと意外かもしれないんですけど。
コバ 意外。
三浦 『ビーバップ』っすね。
コバ でしょうね!これ意外性ゼロやわ!
三浦 やっぱ大好きでしたね。
コバ 僕も大好きですけども。
コバ リーゼントの理由もそこですか?
三浦 矢沢永吉さんも好きでしたし、『ビーバップ』も青春時代で。
コバ 直撃世代?
三浦 直撃です。
コバ 憧れましたよね。喧嘩強いけど軽い感じでね。
三浦 そうなんですよ。喧嘩も負けるじゃないですか。
コバ この2人最強ではないですよね。
三浦 そうです。強いけど負けるんですよね。
コバ 決して最強ではないという。
三浦 でも再戦したりで明るい不良なんですよね。
コバ 逃げないですしね。
三浦 『ビーバップ』は表で語れたんです。みんなと共に。
コバ ハハハ(笑) 「ビーバップ見たか?最高やな」と。
三浦 そうなんです。ヤンマガ見ながら。
コバ はいはい。『タッチ』はやっぱりちょっと?
三浦 『タッチ』はみんなで熱く語り合うことはあんまなかったですね。
コバ ですよね(笑)
以上です。