2022年4月3日にNHK総合で放送された『サンデースポーツ』で落合博満が北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督の様々な言動についてバッサリと斬っています。NHKアナウンサーと共に語っています。

 

新庄ビッグボス語録
1 優勝は目指さない
2 レギュラーは白紙
3 頼りは『勘ピーター』
4 守りは自分で考えろ
5 ファンは宝物

 

優勝を目指さない発言について

アナ 選手に余計なプレッシャーを感じることなくシーズンを戦ってもらいたいという思いからの発言だったと思うんですが、落合さんはどうご覧になりますか?

 

落合 開幕プレーボールから「どうやって優勝しようかな」って考えるのが普通なんであってね。優勝を目指さないというのは俺の中ではないですね。

 

アナ 選手へのプレッシャー軽減というのもあったとしても、ああいう発言は・・・。

 

落合 まあ、それだけ自分のチームの戦力がないと敢えて言ったのかなと。

 

アナ チャレンジャーだぞというのを言いたかったんですかね・・・。

 

落合 やるだけの事はやってみて、結果は二の次って事なんじゃないですかね。

 

アナ シーズン終盤に優勝のチャンスがあれば、意識させようというのであれば、落合さんは監督時代に「夏までは5割でいいんだという発言を以前にされてましたけど、その辺とは違うものがありますか?

 

落合 我々の場合はあれだけの練習量をやって、シーズン中も休みなくやって、最後は体力勝負だろうと。いかにして選手をバテさせないためにシーズン終わろうかっていうのを考えていたんで、当然練習量の差は出てくるだろうと考えて、8月9月に勝負を懸けられるなら、そこで懸ければいいやっていうチームの作り方でしたね。

 

アナ なるほど。優勝を意識してなかったというのではないんですね。

 

落合 最初から優勝するんだっていう気持ちで、選手もそういう気持ちでやってたしね。ましてや今年で現役が終わる選手もいるんですから、そういう選手からしたら「俺ら優勝しなくてもいいのかよ」っていうのがあるんで、マイナスがあってもプラスにはならないでしょうね。やっぱり勝ちにこだわって初めての競技なんでね。負けていいやっていうのであれば選手もやる気が出てこないでしょ。

 

 

レギュラーは白紙

アナ ここまで開幕して日本ハムは全9試合でスタメンで出ている選手がいないんですよね。例えば、昨シーズンにベストナインに選ばれた近藤健介選手も7戦目は途中出場でした。このスタメンが毎日入れ替わる起用法はいかがでしょうか?

 

落合 レギュラーがいないというのは事実なんでしょう。だから、毎日練習を見て状態がいいのを使っていこうかっていうオーダーの組み方なんだと思いますけども、やっぱり打線ですから。

 

アナ はい。

 

落合 線を繋げて相手のピッチャーをどうやって攻略していくかを考えると、強烈なホームランバッターが一人いて、1試合に2本も3本も打ってくれるというのがいればいいんだけど、今の日本ハムにはそういう選手がいないんで、線としての繋がりを作っていかないといけない。今のオーダーを見てると、毎日打順が違うんで繋がらないと思う。

 

 

頼りは『勘ピーター』

アナ データだけでなく、自分の目で見て何を感じたかを大切する新庄監督。新庄監督はキャンプの時から選手をよく見て、色々なところが見るようにして選手を観察。オープン戦では自ら3塁コーチも務めました。様々な角度から選手の状態を確認し、自分の目で見極めることを重視しています。こういう新庄監督の姿勢はどうご覧になりますか?

 

落合 まあ、監督というのは見るのが仕事ですから。選手を育てる、作り上げるというのはコーチの仕事なんでね。

 

アナ はい。

 

落合 そういう意味では選手を見ているというのは正しいと思います。

 

アナ 落合さんは監督時代にこういった光景がありました。

 

 

アナ ベンチ脇のカートのような乗り物に乗って選手を見るという、おなじみに光景でした。これ同じ場所で見ていたというのはどういった理由なんでしょうか?

 

落合 選手は1日1日で状態が変わってくるんですよ。それで良い時の状態とはどういうものかっていうのを頭に入れといて、崩れてきた時にアドバイスするために同じ場所から観察するというのが俺の野球の見方だったということですね。

 

アナ なるほど。よく選手を毎日観察していたということですね。

 

落合 はい。んで選手というのは1日1日で状態は変わりますから。朝起きて球場に来て、どういう精神状態なのかっていうのは色々とあるんでね。

 

アナ えぇ。

 

落合 その辺も立ち振る舞いで分かるようになりましたけどね。

 

 

守りは自分で考えろ 

アナ 新庄監督は現役時代にゴールデングラブ賞を10度獲得した守備のスペシャリストです。試合の合間に外野手が集まって膝を付いて、守備について話し合っていたというのはよく見た光景でした。そして今のチームでも新庄監督は守備のリーダーを作ろうとしています。監督に就任して、野球脳が高いと近藤健介選手をセンターに固定するという使い方をしています。選手に自ら考えさせる守備というのは落合さんはどうご覧になりますか?

 

落合 守備位置を考えるというのは、選手が取るべき道なんでね、それはそれでいんですけど、勝負がかかったここ一番という時に選手が勝手に動いて、その逆に打球が行くという事もある。そこは監督の指示のもとで外野守備コーチとしっかりと意思疎通して守備位置を守るというのが基本線でしょうね。

 

アナ なるほど。落合中日時代と言えば、荒木井端という鉄壁のアライバコンビというものがありました。この2人というのは自分たちで考えてやっていたという感じなんですか?

 

落合 いや、守備に関しては何も言ったことないですよ。

 

アナ 何も言ってないんですか。

 

落合 えぇ。それだけ練習量を積んできたということですから。荒木にはファーストにタイロンウッズがいるから、ファーストの方まで捕りに行けとは言いましたけどね。それについて彼はその通りにやってくれましたね。あとはあの2人に何か言ったというのは特にないですよ。

 

アナ 守備に関しては落合監督に近いものがあるのかなと思いました。

 

 

ファンは宝物

アナ 新庄監督を語るうえで欠かせないもの。ファンサービスです。本拠地開幕戦ではホバーバイクに乗ったりもしました。落合さんはこういったパフォーマンスをどうご覧になってますか?

 

落合 いやぁ・・・(苦笑)

 

アナ (苦笑)

 

落合 『ファンは宝物』というのはその通りなんですよ。

 

アナ はい。

 

落合 でも試合に負けて、お客さんを帰すというのはあまり良いことではないんでね。だから最高のファンサービスというのは野球を観に来たお客さんを勝って家路につかせるのが最高のファンサービスだと思うんで。まあ、今のままだと・・・自分だけ目立っちゃってるというような感じにしか取れないですね。

 

アナ なるほど。結果が伴えばというところですね。

 

 

まとめ

アナ では最後にまとめの一言をお願いします。

 

落合 勝ち負けの責任は監督が取るんで、やり方や方法論は幾通りもあるんでね。自分が思った通りの野球をすれば、それで1年の結果を見てどうだったのかというのを次の年に活かせるればいいなと思うんで、自分のやりたい野球をやればいいんじゃないでしょうか。

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