2018年8月21日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のボストンレッドソックス戦に先発し7回途中3失点で16勝目をあげたクリーブランド・インディアンスのクルーバーのピッチングを元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に解説しています。
【この日のクルーバーの投球内容】
6回1/3、108球、被安打9、奪三振6、与四死球1 、失点3
今季16勝6敗 防御率2.74 (8/21の試合終了時点)
【試合後のクルーバーのコメント】
クルーバー まだまだ課題はあるが、理想の投球に近付きつつある。
アナ サイ・ヤング賞投手同士の投げ合い(レッドソックスはポーセロ)はクルーバー投手が投げ勝ちました。黒木さん。
黒木 序盤に失点はしましたけど、非常にいいところに投げていましたよね。何より凄かったのがクルーバーの投球術ですよね。
アナ はい。
黒木 3イニング目にJ・D・マルティネスに投げた場面が印象的でしたね。
【その場面を見ながら解説】
黒木 3球目に注目をしてもらいたいんですけど。(※カウントは1ボール1ストライク)
アナ はい。
黒木 この球ですね。
アナ だいぶインコースに食い込んでますけど、これ振ってしまうんですね(※腰砕けで空振りしています)
黒木 そうなんですよ。普通はボール球ですよね。
アナ はい。
黒木 ただ、その前に投げているボールをちゃんと追い掛けさせているんですよね。1球目はちょっと内側から入ってくるカーブ。バッターはこれに目を付けているんですよね。(※1球目のカーブはファール)
アナ はい。
黒木 ですから、クルーバーはこのボールを生かしてというところで3球目に内角に入るシンカー。これはバッターからすると、同じような球種、コースに見えるんですけど、実際に来るボールが全く違うものになりますので、インコースを意識するとアウトコースの球に対してこのJ・D・マルティネスでさえも崩されてしまうという状況でしたよね。(※4球目は外のフォーシームを当てるだけのセカンドゴロでアウトとなる)
アナ この投球術ですが、1球目と3球目を見ていきましょう。
黒木 初球のカーブなんですが甘めに来てます。バッターはこのカーブの軌道を思い描きながら待ち構えるんですけど、3球目のシンカーでは投げてから少しの間は軌道が1球目と全く変わらないんですね。
アナ はい。判断がつかない状況なんですね。
黒木 同じボールが来たというところで踏み込んで打とうとしたところ、シンカーなので内側に食い込んでくるわけですよ。ですから、もうバットが止まらない状況になったんですよね。これをクルーバーがしっかりとした投球術をもって、投げたボールです。そして、初球のカーブと3球目のシンカーのキャッチャーミットが収まる地点での差が68センチも違いがあります。
アナ はい。
黒木 これは相当なもんですよね。ですから、カーブとシンカーを見極められないような難しいボールを投げるクルーバーの投球術というものが光りましたよね。
アナ 打者は見極めができないですよね。
黒木 難しいと思いますね。
以上です。
カーブとシンカーがギリギリまで分からないとなると打てませんわね。