2018年10月23日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でニューヨークヤンキースの元監督のジョー・ジラルディがワールドシリーズ必勝法を語っています。

 

ジラ ワールドシリーズは先発もリリーフも最高の投手が投げるので点を取るのが難しいです。また2試合戦って休むという日程のため、レギュラーシーズンとリリーフの使い方が違います。先発は4人でいい。チームによっては3人しか使わないところもあります。投手の管理方法がカギを握ります。早めにリリーフを投入するため、先発投手は長いイニングを投げる必要がありません。1試合丸々リリーフ投手で繋ぐチームもあります。

 

 

ジラルディはナショナルリーグのホームチームでの戦い方がシリーズの行方を左右すると言います。今年だと3戦目、4戦目、5戦目の試合である。

 

ジラ アメリカンリーグのチームの方が不利なんです。彼らは強打者のDHを中心に打線を組んでいます。一方、ナショナルリーグのチームは守備と打撃を兼ね備えた選手を中心に編成されています。また、アメリカンリーグは投手がバントに慣れていません。出塁したら怪我のリスクもあります。更にナショナルリーグのチームは普段から代打の使い方に長けています。レギュラーメンバーは守備が上手く、打撃専門の選手はDHで起用できる。だから、ナショナルリーグのチームの方がごく僅かですが優位だと考えています。

 

4勝したら世界一のワールドシリーズ。ジラルディは何戦目が最も重要と考えているのか。

 

ジラ 最も重要なのは第3戦に勝つことです。それまでが1勝1敗なら2勝1敗になる。2連勝なら王手。逆に2連敗スタートなら1勝2敗と巻き返しを狙えるからです。

 

ジラルディがヤンキースのキャッチャーとして出場した1996年のワールドシリーズ。第3戦から4連勝し逆転優勝をする。この時のトーリ監督の振る舞いが理想だとジラルディは言う。

 

ジラ 2連敗しましたが、トーリ監督は我々にプレッシャーを掛けることはありませんでした。落ち着いた口調で「まあ、1試合勝てばいいんだよ」と言いました。選手やコーチにとって1試合勝つことはそれほど難しくはありません。でも、あと5試合のうち4勝すればいいと言われていたらキツかったでしょう。第3戦に勝ってその後の2試合を1勝1敗で切り抜ければニューヨークに帰れるんだと思えば、気が楽になりましたよ。

 

ジラルディは選手として3度のワールドシリーズ制覇。大舞台での経験が監督になって生きたという。

 

 

ジラ もし選手時代に優勝を経験していなかったら、監督として冷静に戦えなかったと思います。監督時代の私は、自分のことよりまだ優勝経験の選手やコーチ、チームスタッフにその喜びを味わわせたいという気持ちでした。特にそう思ったのがアレックス・ロドリゲスでした。ヤンキースにトレードで来た彼は余りの期待の高さに押し潰されそうでした。だから2009年の優勝はアレックスにとって特別な経験になったと思います。

 

プレッシャーがキツイからこそ活躍すれば歴史に名が刻まれる。ジラルディはその一人として松井秀喜の名を上げる。

 

ジラ あの2009年のワールドシリーズでの松井がしたことは驚異的なことでした。素晴らしかった。大事な場面で誰を打席に送るかと問われれば、今でも松井と答えます。ヤンキースをワールドチャンピオンに導いたことは、彼のレガシーです。あの活躍で松井は永遠にニューヨークのヒーローになりました。

 

2018年ワールドシリーズ、レッドソックスとドジャースはどちらに分があると考えるか。

 

ジラ 1998年のヤンキースはチーム記録の114勝をしましたが、それが逆に重荷となりました。今年のレッドソックスも同じです。レギュラーシーズンで108勝。でもワールドシリーズで負ければそんな偉業は忘れ去られてしまう。プレッシャーだと思います。

 

 

最後に選手や監督へのアドバイス。

 

ジラ 選手への言葉は単純です。楽しみなさい。そして思い切りその雰囲気に浸りなさい。ポストシーズンでは4打席打てないと落ち込むものです。でも気にすることはありません。それも経験なのです。監督には自分を見失うなと言いたい。ワールドシリーズだからとって戦い方を変える必要はない。自分を貫きなさい。

 

 

以上です。

ワールドシリーズだけじゃなく日本シリーズでも参考になる話だと思います。

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