2018年10月31日にフジテレビONEで放送された「プロ野球ニュース」で日本シリーズ2018、広島カープvs.福岡ソフトバンクホークスで4戦、1回表の広島菊池の本塁突入の判断について元横浜の高木豊、元ロッテの里崎智也、元横浜の野村弘樹がタレントの稲村亜美と共に語っています。
【場面】
1回表カープの攻撃
1アウト1塁ランナー菊池、バッター丸
丸が右中間を抜く長打を放ち菊池が1塁から一挙に生還を狙う
SBは柳田→明石→甲斐の中継プレーによって間一髪でタッチアウト
野村 まずSBの先発の東浜は初回に少し緊張感があったんですけど、その中で1番の田中広輔を打ち取って、2番の菊池にヒットを打たれて、その次の3番の丸ですよね。
稲村 はい。
野村 3ボールから完璧に狙い打ちで右中間に打たれました。豊さん、これ1アウトで1塁ランナーの菊池が3塁を回りました。次の打者は鈴木誠也、松山です。
高木 まずソフトバンクの中継プレーが完璧でしたね。それで最後の中継ポイントの内川はボールを捕りはしませんでしたけど、ギリギリまで捕る体勢をしっかりと取っている。ソフトバンクは本当にどこを見ても隙がないんですよ。
野村 うん。
高木 でも、サードコーチャーとすれば点を取れるときに取りたいという心理があるんですよね。鈴木誠也が当たっていてもね。
野村 はい。
高木 だから、サードコーチャーの判断ミスではあるんですけど、このプレーは大きかったですね。
野村 豊さんがサードコーチャーであればこの状況で回していましたか?
高木 現場での自分の心理ですよね。その心理で回してる可能性もある。
野村 なるほど。でも、紙一重のプレーですよね。少しでも返球が逸れていればセーフ。
高木 でも、紙一重だったらあの場面であるなら回さないですね。
野村 そうですか。
高木 うん。鈴木誠也という存在があるし。
野村 止めていた可能性があると。
高木 止める可能性の方が大きかったでしょうね。
野村 なるほど。里崎さん、このカットプレーについてはどうですか?
里崎 カットプレーは完璧でしたね。キャッチャーの甲斐にとって一番いい所にセカンドの明石が投げてくれましたから、もうタッチすればいいだけというところで中継プレーは完璧でしたけど、僕も2アウトなら回しても良かったかなと思いました。
野村 うん。
里崎 やはり1アウトと考えて、今日の鈴木誠也はアウトのなり方を見ても絶好調なのが分かるので、そういった面では焦る必要はなかったかなと思いますね。初回だっただけに。
野村 やっぱり3塁で止めておいた方がというところですかね。
里崎 そうですね。中継プレーが完璧でタイミングがアウトだったので、タイミング的には紙一重でも何でもないんですよね。そうなってくると、止まっても良かったかなという印象がありますね。
高木 ただボールが1塁側に逸れたら可能性は残されていましたよね。
野村 その場合はセーフでしたね。
高木 僕はサードコーチャーをやったことがあるんですけど、レフトとか左中間は角度的に回していいか、回したらダメかが分かりやすいんですよ。
野村 はい。
高木 逆に右中間はスゴく難しい。
野村 ランナーと打球方向を見ないといけませんもんね。
高木 うん。それでコーチャーズボックスで見ていたでしょ。
野村 はい。
高木 コーチャーズボックスを出て、もうちょっと広い視野を自分で作っていれば回していなかったかもしれないですね。そこも一つのコーチャーとして技術ですね。
野村 なるほど。
高木 今日の試合はこれだけで終わっていいぐらいの出来事ですよ。
野村 そうですよね。でもそれだと困るんでね(笑) あとこの日本シリーズは先制点を取ったチームがずっと勝ち続けているんで、そういった意味でもサードコーチャーの心理が出ていたかもしれませんね。
高木 ちょっと焦りがあったでしょうね。だから、取れるときに取りたいと。
野村 うん。取りたいという心理があってアウトになりましたけど、難しい判断ですね。
以上です。
いきなり試合の重要局面でした。