2018年11月8日にスカイAで放送された「猛虎キャンプリポート」で阪神タイガースの藤浪晋太郎がインタビューを受けています。聞き手は阪神OBの上田二郎です。
もくじ
現状について
上田 この秋季キャンプはどうですか?順調ですか?
藤浪 そうですね。自分の練習をする時間をいっぱい取れますし、色々と充実して取り組めていると思います。
上田 今日ピッチングを見せてもらったんだけど、体が相当大きくなってるね。
藤浪 そうですかね。春からは変わってないんですけど、去年からは大きくなってますかね。
上田 腰から胸板にかけて体を大きくする目的があったんだろうけど、今は何キロぐらいあるの?
藤浪 101か102キロぐらいありますね。
上田 それは100キロを超えるということを考えてやっていたの?
藤浪 そうですね。それぐらいは欲しいなと思って。でもこれぐらいで、もういいかなと思っているんで。
上田 今の体重でも動きやすい?
藤浪 そうですね。走るのも走れますし、あとは体をどう扱うかというようなトレーニングをいっぱいできたらなと思っています。
前半戦の不調
上田 ところで、今シーズンを振り返ってほしいんだけど、皆さんにも色々と言われると思うんだけど。
藤浪 はい。
上田 前半はちょっと悪かった。それで最後は良かった。前半を振り返ってみてくれるかな。
藤浪 前半は良くなかったですね。いい感じでシーズンに入ったんですけど、それがマウンドで出せなくて、ちょっと思うようにいかないところが多かったですね。
騒ぐマスコミにうんざり気味
上田 脱力投法というのをやっているじゃない。
藤浪 はい。
上田 あれの狙いはどういうところ?
藤浪 まあ、新聞は『脱力投法』、『脱力投法』と何かしらの投法と名付けたがるんですけど、まあ単に力を抜きますということだけなんで。(うんざりした顔で答える)
上田 リラックスするための。
藤浪 はい。余計な力を抜くというのはピッチャーというかアスリートの永遠の課題だと思います。
上田 そうだよね。
藤浪 別に投法というほどの。
上田 あれは勝手に新聞記者が書いてんの?(笑)
藤浪 まあ、脱力投法なんて一言も言ってないですし。
上田 そうなんだ。
藤浪 そういう投げ方というのは全員が目指していることだと思うので、別に特別なことはしているとは思っていないです。
上田 そうだよね。今はダーツをやっとるでしょ。
藤浪 はい。
上田 ダーツ投法。あれも投法って言うたらイカンけども(笑)
藤浪 まあまあ、あれもイメージですよね。
上田 うん。
藤浪 ちょっと肘からキレイに抜けてないなあというところがあったんで、囲み取材で「ちょっと肘を上手く使えてないんで、上手く使えるようにしたいんです」って言ったらダーツに絡めてダーツ投法と書かれましたね。(ちょっとうんざりした顔)
上田 そうか(笑)
藤浪 全部、大袈裟に書かれるんですよね。
上田 うん。そうだよな。
藤浪 そんなに大袈裟なことをしていないですし、投げ方を変えるとかっていうレベルじゃないんで、ちょっと肘を意識しますっていうぐらいものですね。
上田 シーズン中でもマウンド上で肘を抜くという仕草が見えていたからね。
藤浪 はい。
上田 そういう意味でダーツをやっているということやね。
藤浪 そうですね。イメージが近いのかなと。
後半戦の復調
上田 そうか。それで後半に入ってスゴく投球のリズムのテンポというか、バランスというのか、そういうところが非常に良くなってきたと思うんだけど、自分ではどうなの?
藤浪 まあ、全体的に良かったですし、後半は指に掛かったボールも多かったですし、真っ直ぐと変化球共に良く操れていたんじゃないかなと思っています。
上田 そうだよね。その中で1球2球抜け球があったとしても、その後にすぐに修正できる投球に変わってきたよね。
藤浪 そうですね。自分の中で『こうしておけば大丈夫』というのがあるんで、おかしくなりだしたら『あれ?あれ?』ってならなかったのはありますね。
上田 そのまま悪い方に流れなかったというのかな。
藤浪 はい。
上田 そういう意味でファームに行って、色んなことをやってきて、そして研究をしてきて一枚も二枚も皮がムケたと自分自身が感じるところはある?
藤浪 自分の体の使い方は改めてこうなんだなというを思い出したというか、改めて認識しましたし。
上田 うん。
藤浪 本当に色々とやったんで、本来の自分の動きじゃなさそうなことも何もかも色々と取り組んだんで、そうやって色々とやってきた中でやっぱり自分の体というのは結局こうやって使うんだなというのを。
上田 うん。
藤浪 今までは漠然と『こう使ったらいいな』って思っていたのが、それが本当に確信に変わったというか。何て言ったらいんですかね。違うこともやってみて、改めて自分の形ができたというのがあるんで、スゴい勉強になったというか。
上田 そうだよね。コロっと変わってきたように感じる。これで大丈夫かなって我々も見ていて思いました。
藤浪 はい。
上田 今はリリースポイントも随分と前になっているし、これはもういけるな、何かを掴んだなというのを感じるんでね。そういう中で私はいつも期待しているんだけど、藤浪にはチームの大黒柱になってもらわなイカンと。
藤浪 はい。
上田 プロ入りから3年間はいい成績を残し、4年目から6年目の今年は少し不本意だと思うんで、本当に来季に関してはとにかく15以上を勝つような素晴らしい投手に蘇ってほしいという思いがあるんで、体を鍛えて来季を迎えてほしいと思います。
藤浪 はい。ありがとうございます。
上田 個人的に藤浪の後援会に入ろうかなと思っているんで。
藤浪 ハハハ(笑)
上田 うん。それぐらい応援しているんで頑張ってね。
藤浪 ありがとうございます。
最後は握手をして終了
以上です。
藤浪は騒ぎ立てるマスコミにうんざりしていますね。ちなみに高山でも新聞に『丸打法』と書かれていましたが、あれは昔のフォームに戻しただけみたいです。