新井宏昌が左打者の三遊間を抜く打撃術を語る

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2018年1月にBS1で放送された『球辞苑』で南海や近鉄で活躍した新井宏昌が左打者の三遊間を抜く打撃について語っています。

―三遊間を抜くヒットとは

新井 左打者の必須科目。私の場合は特にホームランとか長打がありませんので、90度を使って打球を飛ばさないといけないところから、三遊間に打つ技術を身に付けて、何かのときにはそこへ打っていこうという。

―インコースを三遊間に打つテクニック

新井 インコースのボールはできるだけ体に呼び込んでヘッドを落として左の脇を絞る。

スタッフ けっこう左肩が下がりますね。

新井 左肩は下がります。

新井 バットのヘッドが下がると三塁側にファウルになりやすいわけです。ファウルになってもいいつもりでやらないとインコースの球は三遊間方向にはなかなか打てないです。これがバットのヘッドが立っていると一塁側にひっかかってしまう。

新井 ボールがこうありますよね。この縫い目がありますね。

新井 この縫い目の内側を左の脇を絞って内側から、バットにボールを滑らせるイメージですね。ボールの内側を打つ意識した方がバットの軌道がインサイドアウトに出るということです。

―アウトコースの球を三遊間に打つテクニック

新井 自分のヘソの前ぐらいまでボールを呼び込んで内側から上から叩く。

新井 内から上から出して、しっかり叩いて三遊間に飛ばせば自分のアベレージが上がる。このときにヘッドが寝てしまうとファウルになる。

スタッフ 外角だとそうなる?

新井 はい。

―新井が三遊間への技術力が向上したのは12年目の近鉄に移籍してからだった理由

新井 近鉄時代ではエンドランとか、バスターエンドランとか、自分がサインを出してやっていましので。

スタッフ 当時は仰木監督ですよね?

新井 はい。「自分はサインを出さないから、お前たちでやってくれ」と。そのときは三遊間を意識して狙います。

当時の近鉄の1番バッターの大石第二郎が出塁すると、相手のショートは盗塁を警戒しセカンドベース寄りに守る。それにより三遊間が広くなるため2番の新井は自らエンドランのサインを大石に出し、狙いすまして三遊間を抜いていた。この戦術を繰り返すことによって三遊間打ちの精度が高まったのだと言う。

―思い出に残る三遊間のヒットは?

新井 ヒットというよりか、(放送の2018年時点で)今阪神タイガースの三塁ベースコーチをしている高代延博コーチですね。彼が日本ハム時代に私の打球方向を研究されていて、二遊間をあけてショートが三遊間に寄ってるんです。自分でしっかり捉えて三遊間のヒットゾーンに飛んだと思っても、高代選手に簡単に処理されて。でも、あんまり気にしないようにして、時には打ち損じがヒットになることもあるし。

新井はどんなシフトを敷かれても三遊間を狙い続けた。

そしてその技術と信念により2000本安打を達成した。

ここで2017年の三遊間へのゴロ安打ランキングを見てみよう。

2017年 三遊間へのゴロ安打数ランキング(データスタジアム調べ)
1位長野久義巨人20本
2位鈴木誠也広島19本
3位ロメロオリックス18本
4位坂本勇人巨人17本
4位菊池涼介広島17本

かつて新井が指導した鈴木誠也と菊池涼介がランクイン。これを見た新井は。

新井 (渋い表情で)あっそうなんですか。菊池のイメージの三遊間へのヒットは体勢を崩され強引に打ちにいって引っ張ったもので、結果はOKなんですけど、あまり感心ができるヒットではないイメージがあります。

新井曰く、右バッターの三遊間を抜くヒットは引っ張った強い当たりに見えるが、実は打ち損じが多いのだと言う。だが、敢えて打ち損じて三遊間わ抜く右の天才がいた。

―右の天才打者とは

新井 落合博満選手です。ヘッドがよく利いて返るものですから、こねたような打ち損じが三遊間の方に球足が速く転がるたびに速度が増していくような記憶がありますね。

―左打者と右打者の三遊間の意識は違う?

新井 全然違う。

以上です。

落合伝説が最後に出てきました。