2019年6月25日にフジテレビONEで放送された『プロ野球ニュース2019』でこの日のvs.広島カープ戦でプロ初登板の東北楽天ゴールデンイーグルスの3年目の菅原秀のピッチングについて元横浜の高木豊、元日ハムの岩本勉、元横浜の野村弘樹がフリーアナウンサーの堤友香と共に語っています。
もくじ
岩本が語る
アナ プロ初登板の楽天の菅原投手はいかがでしたか?
野村 岩本さん、ちょっとボール先行が多かったように見えたんですけど。
岩本 はい。若いピッチャーでボール先行というのは致し方ないことだと思うんですよね。
野村 はい。
岩本 でも、マウンド上でにっちもさっちもいかないという状況ではなく、どうにかできるという内容でしたね。
野村 うんうん。
岩本 右の本格派で曲がり球も数種類持っています。そしてストレートも真上から投げ下ろす。恐らくフォークボールがあったのか、なかったのか落ちる球を使ってという。
野村 チェンジアップを使っていたように見えましたね。
岩本 落ちる沈む球がありますんで、僕は先発ピッチャーとして次の機会も見たいという感想を持ちました。それで今日は交流戦の最後の試合ということで5回表というのは、平石監督もゲームを壊したくない、彼の可能性は求めたいけどもゲーム全体を壊さないためにはああいう継投は致し方なかったと思うんですよね。
野村 うん。
岩本 でも、彼のピッチングはチームも解説者も今後のピッチングを見たいと思わせる、可能性がスゴくあるピッチャーだと感じました。
野村 だからチームの勝ち負け云々を抜きにして5回を投げ切るのを見たかったですね。
岩本 あぁ、そうですね。
野村 ノーアウト満塁からどういうピッチングをするのかを僕は興味を持っていたので。戦略としてここで継投は当然アリなんだけど、あの回で続投していたら、想像は難しいですけど岩本さんはどう見ましたか?そんなにアップアップの状態には見えなかったんですよ。
岩本 そうですね。「もう交代か」と思ってしまうタイミングだったんですけど、先ほども言いましたけど、元気なリリーフ陣がいるんであれば継投も仕方ないと思いましたしね。
高木 まあ森原がリリーフして良かったもんね。
岩本 結果はそうですね。ベンチワークがハマったイニングでした。まあ菅原だけを見た感想だと、もっと投げるのを見たかったし、今後の彼には期待したいですね。
高木豊が語る
野村 豊さんはあの回について打者目線で見てどうでしたか?
高木 ランナー1-2塁で広島が菊池にバントを命じて、それが失敗してから簡単に右打ちされて満塁になったでしょ。そこで厳しいなと思いました。
野村 そうですか。
高木 うん。やっぱりああやって自在に打たれ出すと止まらなくなるというか。だから全体的に菅原のピッチングを見ると、本格派にはなれないかなと思うんですよ。打者目線からすると。
野村 なるほど。
高木 それで西川に高めの物凄い釣り球を押さえ付けて内野ゴロにされて失点。
野村 ありましたね。
高木 空振りを取らなきゃいけない高さの球だったのに前に転がされるということは、本格派というよりもコンビネーションのピッチャーとしての方が早く大成するのかなと僕は思って見てたんですよ。
野村 じゃあ、そのためにはもう少し球種がいるとか?
高木 でもカーブもいいのを投げてたからね。
野村 ナックルカーブっぽいのを投げてましたよね。
高木 そうそう。だからそういう変化球の精度ですよね。真っ直ぐをクリーンヒットされたのは菊池が逆方向に打ったぐらいで、あとはスライダーが高めに抜けたのを打たれてるから、その辺の変化球の精度を上げたりだとか、ナックルカーブみたいなのを磨いたりだとかするとけっこう早く安定してくるかなと思いますね。
野村 要するに球種を増やすよりも精度を上げていった方がいいと。
高木 そうですね。
今後の可能性
野村 岩本さんは今後の可能性についてはどうでしょうか?
岩本 僕は見ていて曲がり球が数種類ありましたし、角度のいいストレートがありました。
野村 はい。
岩本 恐らく今後は体も更に大きくなります。そこでストレートも強くなると思うんでフォークボールです。チェンジアップよりもフォークボール。恐らくブルペンでは着手してると思うんですが、フォークボールで沈むんじゃなくて落ちる球のコツを掴んだ時により彼の投球が光るんじゃないかと。
野村 なるほど。
岩本 それができる投げ方だと思ったんですよね。
野村 はい。
岩本 スライダーもありますし、ドローンと変化するカーブもありますしね。
野村 スピンがよく利いたナックルカーブ。スライダーも縦変化と横変化っぽいのも投げていると思ったので、あとはシュートか落ちるボールですよね。
岩本 そうですね。
高木 まあ2人(岩本と野村)ともそうなんだけど、フォームのゆったり感があって、真っ直ぐが走ってたのよ。2人は。
野村・岩本 あっ、僕らですか(笑)
高木 そうそう。それは本格派で真っ直ぐでも勝負できるの。何故なら打者はゆったりしたフォームから投げられる速い球って遅れるのよ。
野村 うんうん。
高木 でも、菅原は力感と同じようなスピードで来るから、いくら速い球を投げたって合うんですよ。
野村 なるほど。
岩本 まあ、今日の経験と今後の課題への取り組みでその辺りも改善するんじゃないかなと。言うたら今流行りの二段モーションっぽい投げ方ですよね。
野村 うんうん。
岩本 そこで伊藤智仁コーチあたりのアドバイスでゆったり感も出せるんじゃないかなと思うんですよね。
高木 ゆったり感のあるピッチャーというのはスピードガンではそんなに球速は出ないんだけど、バッターは遅れるんだよね。菅原の場合は首を振ってまで速い球を投げようとしてるから、力感とスピードが合ってしまうからタイミングが合いやすいんですよね。
岩本 ということは3人の意見をまとめますと、菅原投手はゆったりとした投球フォームに一度トライしてみてはどうですか、ということですよね。
高木 まあそれも面白いし、俺は変化球の精度が上がれば、まとまって勝負ができるようになるピッチャーだというのはスゴく感じてますよ。
野村 まあピッチングコーチの伊藤智仁もゆったりした投球フォームがビシっと来るピッチャーでしたもんね。
高木 そうそう。あれでビューンっと来てたからね。でもそれってなかなか出来ないと思うよ。
野村 まあ真似できればみんないいピッチャーになりますもんね。
高木 そうだよ。
野村 そりゃそうですよね。
以上です。