2019年7月10日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』で強豪のヤンキースやレッドソックスがいるアメリカンリーグ東地区で2位につけるタンパベイレイズの強さの秘密。型破りな常識にとらわれない戦略を紹介されていました。
タンパベイ・レイズ。ある時は外野を4人を守るシフト。またある時はクローザー3人を使い分ける。今、最も注目されるレイズの戦略を紹介しよう。
ラウ内野手 今はとても楽しいよ。なんたって野球の常識に挑戦しているんだから。
ちなみにレイズの総年棒は約68億円とメジャー最下位。同地区のレッドソックスの約244億円やヤンキースの約236億円に比べ三分の一もないが、知恵を振り絞って互角の戦いを演じている。レイズについて調べてみると色々と驚きの事実が分かった。
試合前にレイズは打撃マシンを使って練習を行う。普通メジャーではコーチがバッティングピッチャーを務めるが、レイズでは打撃マシンで練習。この方がスピードや回転数を調整してその日に対戦する投手と同じ速球や変化球を体感できるので効率的なのだ。これはコーチが投げる練習ではできないことだ。
選手を支える解析コーチのジョナサン・アーリックマンを紹介しよう。実はこの男、名門プリンストン大学で数学を専攻したアナリスト。2013年にレイズに加入し、育成アナリスト、解析ディレクターとして活躍。2018年に解析コーチに就任。野球はずぶの素人だがユニフォームを着て現場で選手たちにアドバイスを送っている。
ヤーブロウ投手 長年プレーしていると、同じような考え方しか出来なくなるけど、彼は選手がない分、全く違う角度からアドバイスをくれる。チームにとって貴重なツールだよ。
アーリックマンからの言葉で大きく飛躍した選手がいる。今シーズン、アスレティクスから加入したエミリオ・パガーン投手だ。2018年、防御率4.35と平凡なリリーフだったが、現在(7/11時点)は防御率がなんと1.75。クローザーの一角を任されることになった。
パガーンのスライダーを分析するとスピードは去年の平均136.8キロから今年は平均141.0キロと約4キロ上げ、また縦に12センチ、横に2センチ変化を小さくなっている。これによりスライダーはより安定感のある武器になり、今シーズンのスライダーの被打率はなんと1割台なのだ。
更に2年目でオールスターに選ばれたメドウズもアーリックマンの言葉で飛躍のキッカケだと言う。
客観的なデータを提供されたことで、自信がついたというメドウズ。打球速度は昨年の平均141.9キロから今年の平均147.1キロと約5キロ上がり、ホームランも増加。チームの主力選手に成長した。
常識破りの戦力の先に勝利がある。レイズの快進撃はどこまで続くのか。