2019年10月3日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でMLB公式アナリストのデビッド・アドラーさんがメジャー2年目の大谷翔平の評価と今後の課題を語っています。
2019 106試合110安打 打点62 本塁打18 打率.286
―2年目の大谷に評価
アドラー 大谷の調子は決して悪くなかったと思います。昨シーズンの活躍で評価のハードルが高くなってしまったのです。私は良いシーズンだったと思いますよ。何故なら彼は2018年シーズンと同様に強い打球を打っていたからです。
2019年 149.3km/h
アドラー 打球の初速はデータで見ると、ほとんど変わっていません。実際は少し上がっていました。トミー・ジョン手術をしていればこれほど強い打球はなかなか打てないでしょう。
6月 9本
7月 3本
8月 1本
9月 2本
8月2日のエンゼルス対インディアンズ戦を確認してみよう。その試合のクレビンジャーは低めや高めにボールを散らし大谷に的を絞らせない。そして決め球はインハイの速球だった。
―この配球について
アドラー インコース高めは苦手としているコースです。
大谷のゾーン別打率(by Baseball Savant)
.214 | .304 | .273 |
.438 | .375 | .412 |
.478 | .200 | .350 |
アドラー 空振り率が最も高く、打球の初速が最も遅い。相手投手にそこを攻められたら打っていくことは非常に難しいでしょう。
―対策の傾向が出ている
アドラー シーズン後半に入ると大谷はストライクゾーンで勝負をしてもらえる確率が下がりました。
6月 48.1%
7月 46.0%
8月 44.0%
9月 42.5%
データスタジアム調べ
アドラー 彼に対するストライクゾーンへの投球は毎月減っていったのです。6月から9月にかけての数字を見ると明らかです。ストライクゾーンに来ないボールを強く打つのは難しい。しっかり捉えなければゴロになります。ゴロではホームランにはなりませんよね。
アドラー 大谷はボール球を打つ確率が徐々に高くなっていきました。今シーズンは30.4%です。ボール球に30%以上も手を出しているというのは良くないことです。
2019年 30.4%
アドラー 月別のデータで見てもボール球を振る確率は毎月上がっていきました。9月はなんと40%を超えていたのです。
6月 25.8%
7月 32.7%
8月 35.1%
9月 41.6%
データスタジアム調べ
―大谷の課題
アドラー レッドソックスのムーキー・ベッツやチームメイトのマイク・トラウトは16%~18%くらいです。大谷はもっとボールを見極めるべきです。ベッツやトラウトほどの数字である必要はありませんが、ホームランを打つためにはボール球を振る確率を下げたいですね。
以上です。