2019年10月27日にテレビ東京で放送された『SPORTSウォッチャー』で落合博満が2019年、ソフトバンクの圧勝に終わった日本シリーズとセ・リーグのDH制導入の是非について色々と語っています。後半では中畑清とビビる大木の2人も語っています。
もくじ
落合博満の見解
―2019年の日本シリーズをどう見たか?
落合 (ソフトバンクと巨人は)似たようなチーム構成ですよ。実力は一緒ですよ。外国人野手の差が強かったのかな。メジャーの試合を見てみれば分かるじゃない。彼らはチャンピオンズリングを、世界一の称号を得るためには「潰れてもいいや」と思っていくんだよ。勝つことに最大の喜びを持ってるもん。差が出たとすれば一番そこが強かったのかな。(※ソフトバンクの外国人野手グラシアルは3HR 6打点、デスパイネは3安打3打点)
―4連敗の巨人について
落合 巨人が負けて誰が一番悪いと言われればベンチを預かってる原監督が悪い。
―原監督の気になるところ
落合 (シリーズで若手がミスしたときに)けっこう顔に出すタイプだったね。監督の表情に選手たちは集中してるんだから気になってしょうがないと思うよ。まして若い選手なんかは特に。
―原監督が日本シリーズ後にセ・リーグDH制の導入を提言
落合 いや、それ言っちゃダメだよ。もともとのルールとしてあるんだから。でもセ・リーグにはDHがない、パ・リーグにはDHがあるっていうのはもう俺がプロ野球に入る前から決まっていることだからね。
―今回の日本シリーズでDH有無は関係したか
落合 でも今回の日本シリーズでDHのことで言ったって巨人は楽だったと思うよ。阿部をDHで使えるじゃない。だったら3試合と4試合、DHを使えるところと使えないところがハッキリしてるんだから独自色を出せばいいんじゃないの。これはDHの問題じゃないですよ。
―セ・リーグがDH制を導入することになったら
落合 勝手にすればいいじゃない。これに関しては何も変わらないと思うよ。DHで野球が変わるわけじゃないから。でも周りは何かが変わると思ってるわけでしょ?
―セ・リーグがパ・リーグに勝つためには
落合 全ては交流戦ですよ。交流戦で分析できるじゃない。ましてや交流戦でパ・リーグがこれだけ勝っていけば「俺らはセ・リーグには負けないんだ」っていう、力の差があるんじゃないのかなっていう意識の差をなくすんだったら交流戦をなくせばいい。簡単なこと。交流戦が導入されてパ・リーグの野球変わりました?交流戦が導入される前もDHがあるパ・リーグがずっと日本シリーズで勝ってた?勝ってないでしょ。逆に言えば外国人を連れてくることで野球の見方が変わるというだけ。外国人選手は打ってさえくれれば守れなくてもいいんだよ。ということは今使える外国人選手は4人だけど、これを5人にするのか6人にするのか、そっちの議論の方が面白いんじゃない?
中畑清の見解
☆交流戦は廃止すべき
☆外国人助っ人を増やす
大木 落合さんの意見をまとめました。キヨシさん、中でも『セにDH制導入は必要ない』とおっしゃられていました。
中畑 これに関しては私は、日本一になるためにそれが必要かどうかという原監督の意見にも多少の一理はあると思うんだけどね。
大木 はい。
中畑 でも本当の野球の質を言ったら、セ・リーグでバッターにピッチャーが入る入らないというのが面白くてけっこう野球の奥の深さがあるのよ。
大木 うーん。
中畑 だからその制度だけは変えてほしくないという理由で俺は必要ないと思う。大木ちゃんはどう?
大木 僕はDH制があった方がアウトカウントの考え方とか、より攻撃的にできるとか、守備苦手でも打撃が抜きに出ていればドラフトで指名してみようとか、色んなことがありそうな。
中畑 うんうん。能力が偏っていても使える選手が出てくるということだよね。
大木 はい。
中畑 でも野球の質はそんなに変わらないと思うんだよね。落合さんは「打ってくれる外国人」と言っていたけども、注目するところはソフトバンクを見てみると、育成選手が7人8人の選手がベンチ入りしてるんだよね。
大木 はい。
中畑 どういう育成しているかだよ。そこに注目してほしいよな。
大木 なるほど。育て方。
中畑 これだけ育ってくる育成のうまさというかな。その辺りで各球団が研究し、本当の意味で生え抜きスターを作っていくという必要が絶対にあると思うんだよ。そっちの方を大事にしてほしいな。
大木 どこのチームも生え抜きスターが大好きですからね。
以上です。