2017年12月30日にMBSテレビで放送された「戦え!スポーツ内閣」という番組で2017年は不調に終わってしまった阪神タイガースの藤浪晋太郎について中日で監督をしていた落合博満が元日ハム阪神の下柳剛、番組MCの武井壮、ブラマヨ小杉、お笑い芸人のますだおかだの増田と共に語っています。

 

2017年、不調に終わった藤浪の1年を振り返った映像を紹介されてトークが始まる

 

小杉 さあ、落合さん。

 

落合 あのね、精神論は言いたかないんだけども。

 

武井 はい。

 

落合 みんなで藤浪をやっつけ過ぎ。

 

武井 あぁぁ、なるほど。

 

落合 うん。ボールが抜けるとか、コントロールが悪いとか、悪いのは最初から分かっていることじゃない。

 

武井 色々と言い過ぎ。

 

落合 それがコメントとして出て来るでしょ。だったら、コントロールを良くするためにどうするかって事を考えてやればいいじゃない。

 

武井 なるほど。

 

小杉 ファンも含めてヤイヤイ言い過ぎということですか?

 

落合 いや、ファンは言っていい。

 

小杉 あ、いいんですね。

 

落合 要はそれを預かっている監督、首脳陣が今の現状をどうやって打開していくかっていうことをやっぱり一生懸命に考えないといけないと思う。そうしなかったら藤浪終わっちゃうよ。

 

武井 あらぁー。もうそれぐらい深刻という事ですね。

 

落合 うん。

 

増田 金本監督は一度、2軍に落として2軍で調整するという手段を取ったんですけど。

 

落合 言っちゃあ悪いけど調整にならない。こういうピッチャーをファームに持って行っても。

 

増田 ということは、1軍で先発じゃなくても中継ぎとかに配置転換。

 

落合 いや、ずっと先発をさせればいいじゃない。だって、阪神はそんなにピッチャーがいるわけじゃないでしょ。何とかしなきゃいけないんでしょ。

 

小杉 はい。

 

落合 その現状から逃がしちゃダメよ。

 

武井 ならば、ゲームの中でしっかりと使って。

 

落合 だって、2軍に行くということは今の現状から逃亡、逃げちゃうという事だから。

 

武井 なるほど。

 

 

落合 それを本人がちゃんと受け止めるようなシステムを作ってやりゃあいいじゃない。

 

武井 落合さんなら藤浪選手にどういう言葉を掛けますか。

 

落合 俺だったら(プレートの)3塁側を踏ませる。

 

武井 3塁側を踏ませる。プレートの。

 

落合 うん。

 

武井 それはどういう変化があるんですか?

落合 だって、今(2017年の時点で)はどこを踏んでいるか分からないけども、どうやっても左肩が中に(右バッター方向)入っていって腕が追いきれないんでしょ。

 

武井 なるほど。腕が振り切れない。

 

落合 だったら、肩が中に入ってもいいけど、そこの目の前にバッターがいる、ここからこっちにいかないようには1番簡単なのは3塁側を踏ませること。(※この文章の『ここからこっち』というところでカメラが藤浪の映像に切り替わっていてどういう事なのか分からないですが恐らく右バッターに対して死球になるようなゾーンだと思います)

 

武井 ちょっと左を向いて投げるということなんですね。

 

【広島カープの大瀬良に当てた四球の映像を見ながら】

落合 これだとちょっと先に肩が開いちゃえば球が抜けるんだ。それで抜けちゃイカンと思ったら引っ掛けるから、俺は角度を変えればいいんだと思うんだよ。俺はピッチャーの経験がないから(単純に考えるけど)。

 

武井 うん。

 

落合 俺がもし教えるならプレートの3塁側に目一杯踏ませて、『頭の近辺にいくんだったらいっていい』と。いっちゃいけないと思うから抜けるんだよこれ。

 

武井 なるほど。

 

小杉 『もういってもいいから』と声を掛けて。

 

落合 それで最後の最後までボールを持ちなさいと。それで、キャンプでアウトコースだけの練習をさせなきゃダメ。それで体で覚えさせないと。

 

武井 もうそこに腕を振ればいくような状況を作っちゃうということですね。

 

 

【少しだけ話が逸れます 後ほど再び藤浪の話に戻ります】

落合 これは過去にローテーションピッチャーで2桁以上勝っているピッチャーでキャンプの初日や2日目に色んな球種を投げすぎ。

 

武井 なるほど。

 

落合 1番キツいところを練習させないと。変化球というのは今のピッチャーは手抜きだと思っているからね。

 

武井 あぁ、楽するような感じで変化球を使っちゃっているから。

 

落合 うん。変化球が1番体力必要なんだよ。ちゃんと踏ん張って真っ直ぐと同じような腕の振り方をされるとバッターは何が来るか分からなくなる。

 

武井 なるほどぉ。

 

落合 それが、はい真っ直ぐは目一杯いきます。変化球は力を抜いてフワっとっていうのはこんな打ちやすいピッチャーはいないもん。

 

武井 へぇ~。これは下柳さんはどうですか?

 

下柳 本当に変化球も真っ直ぐも同じ投げ方で投げなきゃいけないし、自分が意識していなのは変化球ほど腕を振ろうと考えていたんで。

 

武井 ほー。

 

下柳 やっぱり、腕を振るために練習をたくさんして自分の形というものを。落合さんが言っていましたけど、自分が若手の頃は紅白戦で「変化球なんか投げる」って言われていましたけどね。

 

武井 しっかりと腕を振って真っ直ぐを投げろと。

 

落合 過去のピッチャーっていうのはみんなアウトコースの低め、そこからキャンプに入っていくんですよ。そこにちゃんと投げられて初めて次はどこに投げるか。だから、みんな体で覚えているから。昔のバッティングピッチャーでも何でもフォームが一緒だもんね。

 

下柳 はい。

 

落合 何時間でも投げているもん。

 

【ここから再び藤浪の話題に】

増田 藤浪選手の特効薬というテーマなので特効薬としてはプレートの3塁側を踏んで投げると。

 

落合 ただね、フォームは変えちゃダメだよ。フォームを変えたらまたおかしくなっちゃうからね。

 

増田 でも、藤浪投手は昔からステップが内側にクロスするというのを直そうとした時期がありましたね。

 

下柳 ありましたね。

 

増田 高校時代、凄いピッチャーやから1位指名で獲った選手のフォームを変えるというのはどうなんですか?

 

落合 あんまりしたくない。

 

増田 何年もやって結果が出なかった時に触るぐらいですか。

 

落合 じゃあ、それを簡単に言おうか?

 

増田 はい。

 

落合 プレートの1塁側を踏んでいてクロスしていく。目の前が一杯見えるわけじゃない。

 

小杉 うん。

 

落合 プレートの3塁側を踏んで同じようにクロスしたらバッター見えないよこれ。

 

武井 はー。

 

 

落合 見える?(隣の下柳に問い掛ける)

 

下柳 見えないですね。

 

落合 見るためにどうするかと言ったら、自分で考えるしかないんだもん。

 

小杉 なるほどぉ。

 

落合 見えすぎるから、あっち行っちゃダメ、こっち行っちゃダメって考えるんで、そこを見えなくしちゃったら・・・自分で考えるんじゃない。

 

武井 なるほど。考える事で出来てくる事もあるということですね。

 

増田 凄いピッチャーなんですからね。

 

落合 俺、今のピッチャーで誰が1番、打席立ちたくないって言ったら藤浪だもん。

 

武井 あぁ、そうですか。これは藤浪選手に対してスゴいエールじゃないですか。

 

落合 だって、抜けてくるんだもん。危なっかし過ぎてしょうがない。

 

小杉 そういう事かい(笑)

 

一同 爆笑

 

武井 怖いということ。

 

増田 それを有利に利用したらいいという。

 

落合 そういう事ですよ。

 

武井 それもあるし、アウトローにドカーン!と決められるとイヤなんですよね。

 

落合 それで、昔と今の1番の違いというのはね、ピッチャーがぶつけたら全部ピッチャーが悪いんでしょ。そういう言い方するんでしょ?

 

武井 はい。今はそうですよね。

 

落合 今のバッターは逃げるの下手だもん。

 

武井 あ、そうですか。

 

落合 ああいう逃げ方をしていたら俺は今頃死んでるよ。

 

武井 あ、落合さんも散々内角をえぐられましたからね。

 

小杉 逃げるのも上手かった。これは完全に4冠王ですね。

 

一同 (笑)

 

 

以上です。

2017年の年末の時点での落合の意見です。とりあえず、プレートの3塁側を踏ませるという提案をしてその状況から自分で考えさせるというのが落合らしいなあと感じますね。

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