2018年4月にテレビ朝日で放送された「サンデーLIVE!!」という番組で3試合連続ホームランを放ったエンゼルス大谷翔平の打撃についてヤクルトで監督をしていた古田敦也が番組MCの東山紀之とスポーツタレントの浅尾美和とメ~テレのアナウンサー浜田準(以下アナとして表記)と共に語って解説をしております。実演して動作を見せて解説しておりますができるだけ分かりやすく書いているつもりですが分かりにくいかもしれませんので、その場合はご了承ください。

 

アナ 古田さんに実演して大谷選手の打撃について解説してもらいたいと思います。

 

古田 はい。以前の大谷は足を上げて(一本足で)こうやって打っていたんですが、多くの野球選手はみんなそうです。バットって重いんで軸足に体重を掛けてからスイングをしていかないとボールって飛ばないんですよね。なのに、彼が今やっているのは以前まで上げていた右足を先に付いて待っている状態で軸回転をして打つんですよね。

 

(続けて)

 

古田 これだとあんまり力が入らないんですよ。よく足をスライドさせて、すり足で打つというのもあるんですけど、あれは足を滑らせて打っているんで大谷の打法をすり足打法と言っているのは嘘です。

 

東山 ほー。確かに違いますよね。

 

古田 彼は違います。彼はノーステップで先に足を付いている状態で待ってからこれだけ(トップの状態からバットを下に振り下ろす動作)で打っている。この打ち方のメリットは体重移動をあんまりしないのでボールにコンタクトしやすいんですよ。でも、ボールは飛ばないんです。

 

浅尾 なのにホームランを打っているんですよね。

 

古田 そうです。なのに飛ぶんですよ。やっぱり反動をつけて(一本足の動作でスイングをして)バーンと打った方が飛びますよね。

 

東山 はい。

 

古田 なのに反動なしでトップの状態からビュッと振るだけであれだけ飛ばしている。ただね、オープン戦の最終戦から開幕戦までに打撃フォームを変えたのは凄いんですけど実はイチローもやっていたんです。

 

一同 えぇぇぇ。

 

古田 ちょっと見てほしいんですけど。皆さん、昔のイチローを覚えていますか。

 

【オリックス時代のイチローの打撃の映像が流れる】

古田 昔のイチローは振り子打法をやっていたんです。これです。思い出してください。足をブラーンとして。これで当時の日本記録の200本安打を作ったんです。これでアメリカに行くんですよ。ヒットメーカーとして。

 

【ここでマリナーズ時代のイチローの打撃の映像が流れる】

古田 ただ、これを見てください。分かります?これが基本的にすり足に近いです。オリックス時代に振り子でブラーンと上げていたのが全然違う。そのままパッと前に踏み込んで打つ。

浅尾 すごい。今までやってきたことを変えるって。

 

古田 そうなんです。日本でこれだけの記録を作ったから、とりあえずはそれをやりたいのにイチローもオープン戦とかでやってみて振り子打法ではちょっと無理だから違う方法に変えて今や説明するまでもないですけど。大谷君もちょっと考えて、「こっちの方がいいな」と。でも、なかなか変えられないんですよ。

 

浅尾 変えられない(笑)

 

東山 対応力というのが大谷君は凄いですよね。

 

古田 凄いですね。だから、オープン戦で調子が悪かったから一か八かでノーステップにいってみようと思ったかもしれないです。

 

東山 あー。

 

古田 それがたまたましっくりときたんで。とはいえ、驚きの連続です。

 

アナ 今後の大谷選手はどう見ますか?

 

古田 いや、頑張ってくれるんじゃないですか(笑)

 

一同 (笑)

 

古田 分からないけど、僕の予想は当たらないんで(笑)

 

 

以上です。

大谷のノーステップ打法をすり足と表現している解説者は多くいますね。それはニュアンスで分かるんですけど細かく言うと古田の方が正しいですね。あと、浅尾美和がかなりノリノリで話していたのが良かったです。

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