2018年11月にBSスカパーで放送された「プロ野球ワイド」で実況パワフルプロ野球のゲーム制作者のKONAMIエグゼクティブディレクター谷渕弘さんと、KONAMIプロデューサー山口剛さんがパワプロについて色々と語っています。聞き手はお笑い芸人のゴッホ向井ブルー。
パワプロが誕生秘話
向井 パワプロプロ野球が誕生したキッカケは何でしょうか?
谷渕 昔は野球ゲームがかなり色んなゲームがありまして、他社さんのけっこう人気のやつがあったんですね。
向井 はい。
谷渕 それで、じゃあコナミも作ろうということになりまして。
向井 ほー。
谷渕 当時、スーパーファミコンですね。PC系とかの野球ゲームを作っていたことがあるんですけど、その人たちが集められたんですね。それで日本一の野球ゲームを作ろうということになったんですね。
向井 当時はゲームで実況が入ってくるというのはスゴかったと思います。
谷渕 パワプロって聞いていたら状況が分かるように、どっちかと言うとテレビよりもラジオに近い実況を目指して作ったんですね。
向井 なるほど。
谷渕 実は色々な名前の候補があったんですけど。
向井 あっ、他の候補もいくつかあったんですか?
谷渕 はい。
向井 他は例えば何があったんですか?
谷渕 テケテケプロ野球。
向井 ハハハ(笑) ダセエ(笑) テケテケプロ野球(笑)
谷渕 さすがに上司から怒られました。
向井 ハハハ(笑) 下手したらテケプロってなってたんですね。
谷渕 そうですね(笑)
選手能力の決め方について
山口 選手データを作っているチームが別で存在するんです。
向井 はい。
山口 それで各球団ごとに何名かずついまして、年間ずっと追い掛けている。
向井 じゃあ広島カープの担当だったらカープの選手だけを見て能力査定をするということですか。
山口 はい。
向井 へぇ~。
山口 最後に12球団のバランスを整えて、世に出すという。そのあともシーズンが進む中でアップデートするんですけど。
向井 はい。
山口 どこまで前年度のデータを生かして、今シーズンは調子いいけど、どこまで反映させようと議論を毎回しているっていう。
向井 なるほど。じゃあ、今シーズン焦ったでしょうね。こんなにカープの野間さんが活躍するとは思わなかったでしょ。
山口 そうですね(笑)
向井 ちなみに球団への取材とかって、どういう風に行われているんですか?
山口 取材までは基本的にはいかないんですけど、まずは中継を見たりとか、実際に観戦したりとか、あとは公式の記録データみたいなものもありますので、まずはそれを元にベースを決めて、ファンの方の思い入れであったりとかがあると思いますので、そういったところも少し味付けをしながらデータを作っていますね。
向井 ほ~なるほど。
谷渕 今はインターネットがあるんで、けっこう情報は色々と仕事場からでも取れるんですけど。
向井 そうですよね。
谷渕 昔はインターネットがなかったんで、全国のスポーツ紙を取ってました(笑)
向井 うわー!なるほど。じゃあ、全部に目を通して。
谷渕 はい。
能力査定に選手からも反響
谷渕 電話で「今から誰々選手と話してくれ」って言われて。
向井 ハハ(笑)
谷渕 「えっ?」ってなって、電話に出たら「私はもっと変化球を多く持ってるんだけど」とか色々言われるんですね。
向井 なるほど(笑) もっと持ち球ありますよと。少ないんじゃないですかと。
谷渕 「存じております」と返事して「でもパワプロはゲームなので全部入れるとユーザーにとって難しくなり過ぎるんで」と色々と言いながら。
向井 確かに。スゴいですね。でもそこでちゃんとキッパリと断ったんですね。
谷渕 そうですね。
ライブシナリオモードについて
向井 ライブシナリオ。あれスゴいですよね。
山口 ありがとうございます。やっぱりターニングポイントのベースとなるのは決勝点になってくるんですけども、やっぱり決勝点をあげるためのキッカケっていうのが色々あると思うんですよ。
向井 はい。
山口 その前の回のピンチを抑えたとか。
向井 はい。
山口 それを何個かピックアップして、今日はここかなという考え方で基本的にはまとめてます。
向井 だって毎日その日の試合を実際にベースにして、しかもターニングポイントとなった場面をプレーできるというのはスゴいです。
山口 配信はだいたい1時間後ぐらい。
向井 早い!1時間って、地方だったら選手はまだホテルに戻ってないぐらいですね。
山口 そうですね(笑)
向井 早い。1時間でもうプレーできるんですか。
山口 そうですね。それで試合観戦して家に帰ってきたら、もう配信されているという。それを遊んで寝るっていう。
パワプロへの思い
山口 来年25周年を迎えるんですけど、引き続き30年40年とドンドン野球ファンと共に野球ゲームを盛り上げていきたいと思います。
谷渕 ゲーム好きな方、あと野球好きな方、これからもずっと楽しんで野球に触れていただくようなものを目指していきたいと思います。
以上です。
もう25周年なんですね。