201949日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のヒューストンアストロズ戦に先発し61失点で勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りたニューヨークヤンキースの田中将大のピッチングを元広島の小早川毅彦がフリーアナウンサーの山本荻子と共に解説しています。

 

この日の田中の投球内容

678被安打3 奪三振3 与四死球2 失点1

今季10敗 防御率1.47(4/9の試合終了時点)

 

田中の試合後のコメント

田中 いい当たりされた打球が正面を突いてくれてラッキーな部分もありましたけど、全体的にはいい投球ができたなと思います。下位のバッターを出して中軸は嫌なバッターが続く流れでしたけど、そこを無失点で抑えたのは大きかったと思います。

 

 

小早川の解説

アナ ヤンキース、まさかまさかの逆転負け。まだ78球だった田中投手を6回で降板させたのは何故だったんでしょうか?

 

小早川 はい。私はブーン監督が今の投手陣でベストな状態で勝ちを狙った。それで交代させたんだと思います。まあ本来ですとスーパーブルペンと呼ばれているブリットン、オタビーノ、チャップマンで789回を一人ずつ投げて勝利をものにすることができたんです。

 

アナ はい。

 

小早川 もし田中が7回も投げていたらゲームがどうなっていたかは分かりませんけど、これは結果論であって、次の登板のことを考えれば田中にあの球数で降りてもらってシーズンも長いですし、今日はここまでという判断だったんだと思います。

 

アナ 勝利こそ逃した田中投手ですが、今日も安定した投球を見せてくれましたよね。

 

小早川 はい。強豪チーム相手に非常に丁寧な投球をしていた印象がありました。中でも象徴的だったのが6回裏のアルトゥーベに対する投球です。これぞ田中という投球でしたね。

 

アナ 6回裏のピンチの場面ですね。

 

小早川 はい。4球で打ち取るんですけど、ほぼ完璧なコントロールなんですね。アウトコース低めへの変化球。

 

 

1球目 スライダー外角低め

2球目 スプリット外角低め

3球目 スライダー外角低め

4球目 スライダー外角低め

4球目にショートゴロで仕留める

 

アナ そうですね。

 

小早川 今日は全体的にこのスライダーが抜群だったと思います。

 

ここでバッター目線からの投球軌道が見れるゼウスというツールを使って解説

 

アナ アルトゥーベ選手の1打席目と2打席目は高い球ばかりでコントロールがバラバラですね。

 

小早川 そうですね。そして3打席目のピンチの場面ではアウトローに見事にボールを集めています。

 

アナ そうですね。本当に勝負所で投げ込めていますよね。

 

小早川 素晴らしいですね。

 

アナ 何故アウトコースを攻め続けたんでしょうか?

 

小早川 アルトゥーベはホームベースから離れて立つバッターなんですね。そしてアウトコースの低めの打率が低いんです。

 

アルトゥーベのコース別打率

.275.373.371
.412.348.343
.250.260.400

 

小早川 相手の弱点を集中力を持って投球していました。

 

アナ ピンチの場面でここに投げ込むことができたということなんですね。

 

小早川 はい。

 

 

田中の今後の課題

アナ 開幕から3試合で田中投手の防御率が1.47。今シーズンの田中投手について小早川さんはどう見ていますか?

 

小早川 非常に状態がいいと思います。

 

アナ はい。

 

小早川 敢えて言わせてもらうと、これからはいかにホームランを防ぐか。これが2年前からの数字です。

 

本塁打MLB全体田中将大
20176105(最多)35
2018558525
今年3851

 

小早川 今年の(4/9時点での)数字も出してるですけど、MLB全体で今年は既に385本も出てます。これは2年前の過去最多6000本を超えたペースとほぼ同じなんですね。この年の田中は1シーズンで35本打たれているんです。

 

アナ ちょっと多い?

 

小早川 多いですね。非常にホームランを打たれて苦労した年でした。従って今年ホームランが非常に多くなっていますので、田中はホームランを打たれやすい投手ですからね。このへんはアルトゥーベの打席のように集中力を持って投球するのが今後の課題かなと思います。

 

アナ はい。

 

 

以上です。

6回の投球は本当に凄かったです。
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