2019年5月4日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.クリーブランドインディアンス戦に先発し、勝ち負けはつかなかったものの7回1失点の好投を見せたシアトルマリナーズの菊池雄星のピッチングを仁志敏久が上田まりえと共に解説しています。
この日の菊池の投球内容
7回93球 被安打3 奪三振10 与四球1 失点1
今季1勝1敗 防御率3.98(5/4の試合終了時点)
菊池の試合後のコメント
菊池 三振、空振りを多く取れたというのが一番の収穫かなと思います。今まで追い込んでから球数が多くなったりすることが一つの課題だったので、今日は追い込んでからスライダーやストレートで三振を取れたというのが良かった。僕自身も前回のオープナーでの登板でスゴく気付きが多くて今回に生かせたので次回の登板に繋がると思います。
仁志の解説
アナ 菊池投手、今シーズン最多の10奪三振で7回を93球で投げきりました。何か着実に掴んでいるところがインタビューの表情から見てとれましたね。
仁志 そうですね。メジャーデビューしてから本人が言うように今日は最高のピッチングだったと思います。特にフォーシームですね。前回が1イニングだけの登板だったんですけど、そこで真っ直ぐの力をもう一回自分で思い直したようなピッチングでしたね。
アナ はい。今日のピッチングのポイントはどこにあったんでしょうか?
仁志 今日の試合では4回裏です。ノーアウト1-3塁の場面でバッターは4番サンタナです。このサンタナはクリーブランドの打線の中で一番当たっている危険なバッターなんですね。
アナ はい。
仁志 真っ直ぐをインコースに2球見せて、3球目にスライダーを膝元にワンバウンドで見せたんですけど、このワンバウンドのスライダーでバッターにしてみると「こういうボールもあるんだな」と気を付けなければいけない球種になったんですね。
アナ なるほど。
仁志 それを気を付けるがために最後のインコース真っ直ぐに詰まってゲッツーになったと。そういう意味ではこの場面がこのゲームを左右したポイントだと思います。
アナ 今日は球速も最速156キロをマークしていましたしボールも走っていました。そんな菊池投手の今日のフォーシームをゼウス見ていきます。(※ゼウスとは投球解析ツールでバッター目線から見た投球軌道が見れるツール)
仁志 はい。非常に分かりやすいのが今日のフォーシームはほとんどがストライクゾーンの枠に入っています。今日は93球中60球がストライクだったんですけど、そのなかでフォーシームをこれだけストライクゾーンに投げ込めているという。特に右バッターのインコース寄りのフォーシームでストライクを取って、スライダーを見せて空振りを取ったり、または詰まらせるという投球だったんですけど今日は高めもうまく使っていました。更に低めもうまく使って高低と左右のストライクゾーンの幅をフォーシームで広げて変化球を見せるという理想的なピッチングだったと思います。
アナ そしてこちらが今回の球種の割合です。
菊池雄星 球種別投球数 | ||||
計 | フォーシーム | スライダー | カーブ | チェンジアップ |
93 | 55 | 21 | 13 | 4 |
アナ93球中フォーシームが55球でほぼフォーシームが占めていました。
仁志 やはり前回の1イニングだけの先発登板で、全力で投げるというピッチングでやはり真っ直ぐだなという実感を本人が持ったんですね。
アナ はい。
仁志 本人のコメント通りなんですけど、このフォーシームによって今日は力勝負がいくつもありましたね。
アナ 今日のこの試合では勝ちがつきませんでしたが次は期待できますね。
仁志 次もこういうピッチングができると思いますので更に期待したいと思います。
以上です。