2019年5月6日に関西テレビで放送された『報道ランナー』で阪神タイガースの近本光司について古田敦也が関西テレビアナウンサーの新実彰平と共に語っています。
アナ ゴールデンウィークの好調の阪神を牽引しているのは1年目の近本光司選手です。
古田 そうですね。1年目の春からこんなに活躍するとはね。
アナ ゴールデンウイークの9連戦(5/6の試合前)で7盗塁。そして1番に定着後10勝4敗と。これはどう見ますか?
古田 3割も打ってるし、ホームランも打ってるし。それで一番スゴいのが相手の主戦級のピッチャーを打ってるんです。大瀬良も打ってます、菅野も打ってます、抑えの山崎康晃からも打ってます。そうなると怖いピッチャーいなくなるんですよ。
アナ はい。
古田 これはマグレというものじゃなくて、それなりに実力を証明して相手も嫌がっていると思いますね。だからこれからも活躍していく可能性は十分あると思いますね。
アナ そしてこの近本選手を古田さんはこんな風に評価しています。
アナ 『イヤな1番バッター』と。
古田 はい。1番バッターでも大してイヤじゃないバッターっているんですよ。
アナ そうなんですか。誰とは聞かないですけど(笑)
古田 足が速いだけだったらもう打たせとけと。それでフォアボール出したのと一緒だからと思うんですけど、近本くんは長打を打ちますから。
アナ はい。
古田 打順について考えていくとですね。セ・リーグではよくあるんですけど、7番とか8番が塁に出たら9番のピッチャーが必ず送りバントするんですよ。
アナ そうですね。
古田 つまり1番バッターというのはよくランナーがスコアリングポジションにいる状況で打順が回ってくる。
アナ なるほど。
古田 ここで彼が打って繋がれば2番以降はどんどんいい打順になりますから、どんどん得点が入ります。だから1番バッターで打てる奴がいるというのはセ・リーグではスゴいでかいんです。
アナ これはセ・リーグだからこそ大事だと。
古田 はい。1番バッターが打つというのは相手にとっては本当にイヤなんです。足も速いし打てるというのがイヤな選手ですね。敵の選手だったら一番イヤですね。
アナ 赤星選手を目標にしているとおっしゃっているんですが。
古田 いや、打つのだったら赤星よりも全然上ですね。全然って言うたら怒られるかな(笑) まあ大分上ですね(笑)
アナ 連続安打の記録も更新しましたからね。
古田 近本選手が持っているスピードはプロでもトップレベル。普通にやったら盗塁王になる可能性は十分あると思います。
アナ はい。
古田 あとはピッチャーとの駆け引きがあります。『このピッチャーはけん制が上手い』とか『このカウントになったらけん制をしない』とか。例えば変化球が多いときに走りたいとかがあるんで、そういうのをどんどん研究していってね。今は対戦が一巡しましたので大体のピッチャーが分かってきたんですよ。だから、盗塁数も増えてきたんですよ。
アナ そういう意味では広島戦での野村投手からの三盗というのがね。
古田 三盗なんかは絶対にけん制がないと分かっていたので、足を上げる前にリードしてましたよね。
アナ はい。
古田 だから研究をして、タイミングを計っていくと、これからはどんどん成功率は上がっていくと思いますね。
アナ 古田さんがキャッチャーをやっていた時にイヤなランナーって誰だったんですか?
古田 僕がやっている時だと一番イヤなランナーは赤星ですね。
アナ やっぱりそうなんですね。
古田 赤星というのは最初の2、3歩が速いんですよ。
アナ ほぉー。
古田 途中から速くなる奴と最初から速い奴がいて、最初が速い奴というのはキャッチャーが焦るんです。ボールを受けた時にはかなり進んでますから。
アナ なるほど。
古田 特に赤星は速かった。
アナ ミスを誘いやすいと。
古田 近本選手も最初が速い。
アナ なるほど。その近本選手に古田さんから送りたい言葉があると。
古田 僕からはこれだけですね。(※フリップを出す)
アナ なるほど。
古田 これプロ野球ってのは毎日試合があるじゃないですか。
アナ はい。
古田 アマチュアの選手は春の大会、夏の大会、秋の大会があってそこに向けて一生懸命調整するのに慣れているんでね。プロ野球というのは毎週6試合やって、それをずっと続けていくというのは本当に大変なんです。
アナ うーん。
古田 だから今は調子がいいからってバンバンやっちゃうと怪我もありますからね。手を抜くという意味じゃなくて、コントロールする。精神的にも体力的にも1年間頑張るためにコントロールしてセーブしないといけない時もあるし、やり過ぎない、入れ込み過ぎないようにする。
アナ 1年間やってほしいですもんね。
古田 1年やらないといけないんでこの『無事これ名馬なり』を大切にしてほしいですね。
以上です。