2022年4月6日にフジテレビONEで放送された『プロ野球ニュース2022』でこの日のvs.横浜DeNAベイスターズ戦で9回1点差、完封目前で同点に追い付かれた阪神タイガースの伊藤将司のピッチングについて元横浜の野村弘樹、元ロッテの里崎智也、元横浜の斎藤明雄がフリーアナの袴田彩会と共に語っています。
シーズン防御率3.52(4/6の試合終了時点)
完封目前で打たれる・・・
アナ DeNAが延長12回に勝ち越し、阪神に勝利しました。明雄さん、この試合のポイントをお願いします。
斎藤 あと1球の完封目前までいっていた阪神の伊藤ですね。やっぱり完封、完投は難しいんだなというのを感じましたよね。111球目を牧に打たれてね。今までゼロに抑えていたのに意味がないようになってしまった。
アナ はい。
斎藤 悔やまれる1球になったと思いますね。牧にはフルカウントまでいってからの最後に高めのボールが浮いてしまったところを外野に運ばれた。どうしても歩かせたくない気持ちが出てしまって、フルカウントになる前の勝負球のツーシームの腕が全然振れてないんですよね。そこからフルカウントになってストライクゾーンにいけばいいという感じで投げて外野に落とされたのかなと、ちょっと111球目のチェンジアップは本人としては悔やまれる腕の振り、投げっぷりだったと思いますね。
野村 私も見てましたけど、完封でも1-0の完封はなかなか出来ないし、精神的にも相当キツいのは間違いないですよね。
斎藤 はい。
野村 だから、点差がある完封よりも疲れが出ている中で最後の1球ですよね。あそこは1塁が空いていてフルカウントでしたしね。打たれる前のストレートも浮いていたし、あの場面ではストライクからボールになる球を投げる勇気が欲しかったという思いでしょうかね。
斎藤 本人の中にはそれはなかったと思います。遅い球を投げておけば空振りしてくれるという感覚だったと思う。
野村 なるほど。
斎藤 4球目のチェンジアップの空振りは「ボールを振ってくれ」という感じで腕が振れてたんだけど、フルカウントになって5番の宮崎勝負を嫌がってしまったのかな。そこで腕の振りが良くないボールを投げてしまった。もう悔やまれる腕の振りだったと思いますよ。
野村 明雄さんには2ストライク目を取ったチェンジアップよりも、フルカウントでのチェンジアップは腕が振れてなかったという風に見えたんですね。
斎藤 そうですね。
野村 里崎さんはこの勝負をどう見ますか?
里崎 早いカウントでは牧はけっこう引っ張りにきてたんですよね。
野村 うんうん。
里崎 だからそれが最後まで頭にあったと思うんですよ。追い込まれてからは少し反対方向の意識が強くなって、最後のあのチェンジアップを拾えたと思うんですけど。
野村 なるほど。
里崎 やっぱり早いカウントでの引っ張りがバッテリーの頭にあって、明雄さんが言われたようにチェンジアップの空振りも頭にあって、外に抜いておけば三振じゃなくても引っ掛けてくれるというのがバッテリーにはあったと思いますね。
野村 打ち取れるというね。
里崎 やっぱり「早く終わりたい」という気持ちが出てしまうんですよ。
野村 分かります。
里崎 だから、「フォアボールでもいい」というのが頭にはあったはずなんですけど、やっぱりストライクゾーンに投げちゃうんですよね。
野村 僕もピッチャー出身なので、あの場面はチーム関係なく伊藤を応援しましたよ。
里崎 はい(笑)
野村 1-0の完封はなかなか出来ないんでね。頑張ってほしかったですね。
以上です。