2017年にBS1で放送された『球辞苑』でストレートをテーマにしている回で中日ドラゴンズで活躍した与田剛が自身の剛速球ストレートを語っています。
与田は現役時代に当時の日本最速157キロをマークしています。
―ストレートの握りは?
与田 横の線(ボールの縫い目)は右上がりの線と右下がりの線でできているわけですよね。多分ほとんどの人は右上がり。何故かと言うと人差し指と中指の長さがマッチするから、そちらを選ぶと思うんです。僕は右下がりでも投げてましたね。それは指のかかりがちょっと変わることによって、変化させるのではなくて、スピン量を変える。ストレートの質が変わるというか。だから、右上がりと右下がりの縫い目に添う握りでストレートを2種類使っていましたね。
―投球フォームについて
与田 投げ方はオーバースロー気味だったんですけど、腰の回転と合わないので、ちょっと下げてスリークォーターにしました。それでちょっと速くなった。体の力をロスなく使えるようにしたっていうのはありますからね。
―ストレートの練習法は?
与田 まず体をターンするスピードですよね。右から左に股をバンっと閉じるスピード。腰ってそんなに回らないですから、それが速く閉じることによって、右の股関節と左の股関節を閉じるスピードが出てくると腕も速く振りやすくなる。
―その他の練習法は?
与田 足の指でしっかりと地面を捕まえるトレーニングを、例えば椅子に座って長方形のタオルを床に置いて、裸足になって、足の指でタオルを巻き上げていく。そうすると靴の中で足の指先が動きますよね。バランスが悪くなるとそこでグッと踏ん張るので、そういう力も強くなってくると体重を支える力、土台が強くなってくる一つの原点だと思いますね。
以上です。
股関節と足の指の強さが必要です。