2019年1月14日にフジテレビONEで放送された『プロ野球ニュース2019』で今季の横浜DeNAベイスターズの投手陣について横浜OBの斎藤明雄と野村弘樹がフジテレビアナウンサーの杉原千尋と共に分析しています。

 

三浦コーチと谷繁の対談後に分析が始まります。

 

アナ 三浦コーチの話をまとめるとこちらです。

 

三浦大輔の投手陣改革

・投げるスタミナわやつけろ!

・開幕投手は競争!

・いでよっ!右の先発投手!

 

投げるスタミナ

アナ まずは『投げるスタミナをつけろ!』についてですが、先発投手が1年間投げるためには何が必要でしょうか?

 

野村 まずは2018年の先発陣の平均投球回が5.28回ですよね。

 

DeNAの先発投手の平均投球回

20166.22
20175.79
20185.28

 

野村 これが年々下がってきてるじゃないですか。これは采配の要素でそうなっていると言えばそこまでかもしれないですけど、ちょっと少な過ぎますよね。

 

斎藤 そうですね。ラミレス監督というのは6イニング、2巡目ぐらいまでと大体決めてるんですよね。それぐらいに打たれるというのがあって、球数も100球と決めて、こういう交代になってるんでしょうけど、これは先発投手陣がそういう流れをゲームの中で作ってしまった。

 

野村 はい。

 

斎藤 5イニング目ぐらいになるとボールが浮き出して打ち込まれる。それで5イニング目は抑えるけど、6イニング目になると先頭打者にフォアボールを出したり、ヒットを打たれたりといことで、こういうラミレス監督の采配になっていると思うんですね。

 

野村 今年はウィーランドがいないんですけど、先発投手陣の投球回を見ると東が154イニングで、あとは100イニングにも達してない。

 

2018年のDeNAの先発投手の成績

試合勝利敗戦防御率
東克樹251151542.45
今永昇太2341184.26.80
石田健大233792.14.97
濱口遥大194594.23.90
井納翔一2463613.54
ウィーランド1649924.99
バリオス1425543.33
京山将弥1366595.64
平良拳太郎1353673.49
飯塚悟史91643.24.74

 

野村 だから、ちょっと少なすぎますよね。

 

斎藤 これはちょっとどころじゃなくてローテーションのピッチャーがこれだと困りますよね。

 

野村 あとはリリーフでフォローしないといけませんからね。

 

斎藤 一番苦しいですよ。

 

 

野村 この辺が三浦大輔がコーチになって先発陣をっていうところはここだと思うんですよね。

 

斎藤 はい。

 

野村 やはりスタミナをつけるには当然走り込み等のトレーニングが必要ですけども、それ以外で考えられることはありますか?

 

斎藤 我々、現役の頃にやったのは投げるスタミナ。球数を多く投げるんじゃないんですよ。100球でもいいんですよ。その100球をどれだけ集中して投げられるか。だから100球投げて、200球投げたぐらいの疲れが出るような集中力を持って。それで一番大事なのは変化球を投げない。今日はアウトローに100球しか投げないという感じで投げればスタミナもついてくるし、投球フォームも身に付いてくる、固まってくるというのがあると思うんですよね。

 

野村 僕も斎藤さんと一緒で、最近のピッチャーはキャンプでもそうですけど、ブルペン見てると変化球が多すぎるんですよ。

 

斎藤 うん。野村さんもそうでしょうけど、私は見ていてブルペンのピッチングが面白くないんですよ。

 

野村 すぐに変化球を投げたがりますよね。

 

斎藤 10球も投げずにカーブ投げて。「アウトコースにも投げてないのに何が変化球?」というのがあるんですよ。

 

野村 そうですよね。いい球を投げられてないのに球種を変えたり、コースを変えたりしますからね。特にキャンプではそういう細かいところが大事ですよね。

 

斎藤 一番大事です。それで最後の1球が真ん中近辺に行って、それで終わる。

 

野村 あの心境がね(苦笑)

 

斎藤 ああいうとろこが全くね。それは時代がそうさせたのか知らないけど。

 

野村 気持ち悪くて終われないですよね。

 

斎藤 うん。ピッチャーとしては大事な場面でそれが出ちゃうんじゃないかなという心配がありますね。

 

野村 そう思ってしまいますよね。

 

 

開幕投手

アナ 次のテーマ『開幕投手は競争』です。2018年11月のラミレス監督のコメントです。「2019年の開幕投手とエースは三浦さんに決めてもらいます。三浦さんを信頼している。うまくいくと思う」ということで三浦コーチが開幕投手を選びます。

 

野村 これはピッチングコーチとしてはこんな嬉しい言葉はないですよね。

 

斎藤 本当にそうですね。三浦コーチが開幕投手を選ぶということは、ブルペンの采配、ピッチャー交代は三浦に任せるということですよ。

 

野村 そう解釈していいんですかね。

 

斎藤 開幕投手を選ぶことだけじゃなくてシーズンに入っても三浦コーチがやると思いますよ。

 

野村 なるほど。

 

斎藤 それでいいと思いますよ。

 

野村 そうなると、やっぱりやりがいもありますし、それに対して責任も出てきますよね。かなりありがたいことですね。

 

アナ 二人の中でも信頼関係がないと中々できないですよね。

 

斎藤 このピッチングコーチと監督というのは常にやり合うんですよ。

 

アナ はい(笑)

 

野村 ゲーム中はピッチャー目線と監督の考えが合うと、これほど楽なことはないんですけど、合わないことの方が多いですよね。

 

斎藤 多いです。

 

野村 ピッチャー目線だと「もっと投げさせたい」けど、監督は代えるとかっていうので、しょっちゅうやり取りしてますよね。

 

斎藤 そうですね。もう一人抑えて勝ち投手にしてやりたい時にガンっとやられる時とかね。

 

アナ あぁ。

 

斎藤 そういうのもあるし、監督としては代えてもいいけど、代えないというのもありますし、一番難しいところ。だから、三浦大輔コーチのはやりやすいと思いますね。

 

野村 もしそうだとしたら楽しみになってきましたね。

 

斎藤 そうそう。

 

 

右投手

アナ 次のテーマが『いでよっ!右の先発投手!』です。野村さん、三浦コーチは右の先発投手は不足しているということだったんですが。

 

野村 不足はしてないと思うんですよね。枚数はいますから。

 

アナ はい。

 

野村 ただ、出てきてないという表現がいいでしょうね。

 

斎藤 私が思うのは、出てきてないじゃなくて、左の4人が目立ち過ぎてるんですよ。

 

野村 なるほど。

 

斎藤 12球団見ても、左の先発ピッチャーが4人もいるチームはないですよ。1人もいないチームもあるんだから。

 

野村 そうですよね。

 

斎藤 それが4人もいるんだから、右のピッチャーが出てきてほしいというのがあると思う。

 

野村 斎藤さんが右で期待するピッチャーは?

 

野村 私は若いピッチャーの京山が一番マウンドさばきもいいですし、色々考えて投げてるなという感じがするし、一回失敗したら二度と失敗しないというタイプだと思うんですよ。

 

野村 おぉぉ。

 

斎藤 投げさせれば投げさせるほど野球の難しさも知ってくるし、ピッチングも理解してくると思います。

 

野村 はい。

 

斎藤 そして平良ですね。2018年はボールに力も出てきて相当自信を持ってると思いますよ。物凄く期待していいと思いますね。

 

野村 だから、2人とも去年の倍ぐらい投げられるといいんですけどね。

 

斎藤 それはラミレス監督が去年抹消しなくていい時に抹消しちゃったというのもあると思うんですよ。

 

野村 はい(笑)

 

斎藤 これは三浦コーチが「しない!」と言えばいいと思いますよ。

 

野村 そうですね。この2人が去年の倍ぐらい試合を投げると、投げているということは当然防御率も良くなりますから勝ち星も増えますからね。この2人が倍ぐらい投げればかなり面白くなってきますよ。

 

斎藤 野村さんが期待する右ピッチャーは?

 

野村 僕もこの2人に期待しているんですけど、やっぱり井納なんですよ。やっぱりボールは一級品なんですよ。それで、毎年6勝前後で終わってしまっているんで。

 

斎藤 うん。

 

野村 この井納は三浦コーチが現役の頃から井納の話をよくしてて。やっぱりストレートとフォークも含めて一つ一つは一級品なんで、彼がどっかでポーンっと出てきてくれないかなという期待をしてます。

 

斎藤 そうですね。

 

野村 年齢的にも32ぐらいで一番脂が乗ってるときなんでね。

 

斎藤 この間、自主トレの時にちょっと喋ったんですけど、「今年は先発と言われているので調整はしやすい」と本人は言ってましたよ。

 

野村 そうですか。

 

斎藤 肘の状態を聞いても全く問題ないということですし、期待できますね。それでちょっと釘刺したのは「真っ直ぐを多めに投げろ」と言っておきました。

 

野村 そうですか(笑)

 

 

上茶谷大河について

アナ ドラフト1位で入団した上茶谷投手についてはどういう印象がありますか?

 

野村 谷繁さんは『タイガ』という魔球があると言ってましたけどね(笑)

 

アナ はい(笑)

 

野村 斎藤さんは上茶谷を見ましたか?

 

斎藤 キャッチボールは見たんですけどね。

 

野村 どんな雰囲気でした?

 

斎藤 ウォーミングアップしてる時にちょっと股関節が硬いかなという心配があったんですけど、キャッチボールを見たら全くそんな心配はないし、馬力があるし腕力もしっかりしてると思いましたね。

 

野村 彼がまたローテーションに入ってくると、また面白くなってきますよね。

 

斎藤 またチームにとって武器になると思いますよ。

 

野村 初日に行く予定なんですけど、キャンプがスゴい楽しみにしてますよ。

 

斎藤 それとね、日体大から入った大貫晋一というピッチャーがいるんですよ。

 

野村 はい。

 

斎藤 あのピッチャーは体の線は細いんですけど、しっかりボールを叩ける。ものすごくスピンの利いたいいボールを投げていますからね。上茶谷と大貫は期待できると思います。

 

野村 なるほど。

 

 

以上です。

たっぷり語りました。

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