2018年5月にテレビ朝日で放送された「サンデーLIVE!!」という番組でヤクルトでキャッチャーをしていた古田敦也が1995年の日本シリーズでオリックス時代のイチローとの勝負を語っています。番組MCの東山紀之とABCアナウンサーのヒロド歩美と中央大学法科大学院教授で中央大学の陸上競技部の部長も務めている野村修也と共に語っています。(この2日前にイチローの特別アドバイザー就任のニュースがありました)
【モニターに下記のように表示される】
イチローvs古田 伝説の名勝負
イチロー シーズン打率.342 パ首位打者
1995年 日本シリーズ イチロー打撃成績
10/21 神戸 第1戦 ヤク5-2オリ 4打数1安打
10/22 神戸 第2戦 ヤク3-2オリ 3打数0安打
10/24 神戸 第3戦 ヤク7-4オリ 3打数1安打
10/25 神戸 第4戦 ヤク2-1オリ 4打数1安打
10/26 神戸 第5戦 ヤク3-1オリ 4打数2安打
合計19打数5安打 打率.263
→4勝1敗でヤクルトが日本一に
ヒロド みなさんこちらご注目ください。イチロー古田の伝説の名勝負と言いますと1995年の日本シリーズを思い浮かべる方が多いと思うんですが、1995年といいますと阪神淡路大震災があった年で『がんばろう神戸』というフレーズを掲げてオリックスはパ・リーグ優勝しました。
東山 僕もこれよく覚えているなあ
ヒロド なかでもイチロー選手はシーズンで首位打者を獲っているわけですね。
東山 (打率.342を指差して)スゴい数字だな(笑)
ヒロド ということで、日本シリーズではどうイチロー選手を抑えるかということが課題になってくるわけですが、第1戦から順番に見ていきますと、最初はやっぱり数字(第1戦の4打数1安打、第2戦の3打数0安打)としては打っているというわけではないですが第5戦(3打数2安打)になってきますとホームランを打っているわけですね。
東山 うん。
ヒロド まあ、対応してきているということです。
東山 それでも.263ですもんね。
ヒロド そうですね。古田さん、日本中がイチロー頑張れっていう空気の中で。
東山 古田さん!イチローをどうやって抑えたんですか?
古田 ハハハ(笑) イチロー君は当時、振り子打法とか言っててね。もちろんバッティング技術も高いんですけど、いわゆる、ボテボテというか普通のショートゴロを打っても1塁でセーフになるぐらい足が速くてね。
ヒロド はい。
古田 出来るだけ彼にフライを打ってもらおうと。
東山 うん。
古田 ゴロを打って内野ゴロがヒットになったりするとピッチャーはガッカリするんでね。それは彼らのペースになってしまうんで、もうホームランを打たれてもいいから、フライを打たせようと思ってドンドン高めで勝負していったというのはありますね。
ヒロド うーん。
古田 それで、チームのスーパースターですから、背負っていますからね。イチローがやってくれるだろうとみんなが言っているんで、そこで本人も気持ちが乗っていると言いますか、前掛かりになっているんで、ちょっとボール気味に投げたら無理矢理スイングしてくれたりしてね。
東山 うん。
古田 焦っているような感じが見えましたね。
ヒロド なるほど。
古田 まあ、彼も初めての日本シリーズだったんで彼が本調子になる前に、まあ、第5戦で終わって良かったなあという感じですね。僕たちにしてみたら。
ヒロド なるほど。これ以上いくともっと対応されるという可能性も。
古田 打たれて落ち着いた環境になるとシーズンぐらいの成績を残されたんじゃないですかね。
ヒロド あー。
野村 まあ、これは古田さんの人の悪さが出ている試合ですよね。
一同 (笑)
ヒロド 心理戦、頭脳、さすが勝負師ですよね、古田さん(笑)
古田 イヤなところを突くのがキャッチャーの仕事なんでね。すいません(笑)
ヒロド さすがです。
東山 名勝負の一つですからね。でも、イチローさんは益々これからも活躍して頂きたいですよね。ファンとしてね。
以上です。
古田は相手の嫌がることを徹底的に攻めるというのがスタイルだったと聞きますね。マイルドに語っていますが、もっとドロドロの作戦を考えていたような気がします。