2019年3月24日にTBSで放送された『S☆1』でイチローが自身の打撃理論について語っています。
胸は見せない(2005年2月)
イチロー 僕は相手のピッチャーに胸を見せないことがスゴく大事だと思ってるんですけど。こう振りにいった時にね。
イチロー 胸を見せると自然こうなるんです。
イチロー ということはバットがここに出てくるんです。
イチロー バットが前に出るということは前後の緩急には絶対に弱いわけです。胸を早く見せる状態だとチェンジアップ、スプリットには絶対に対応できない。でもこれがこのままボールを見てる状態(胸を見せない状態)であればバットはここにありますから。
イチロー まだチャンスがあるんですね。グリップを最後まで出さないとも言えるんじゃないですか。
遅い球を待って速球に対応(2017年2月)
イチロー 変わらないのはここ(後ろ)に手が残ることです。最大の僕の特徴なので、それは何も変わらないでしょうね。バットがここにあるので、キャッチャーミットにボールが入る寸前までチャンス、ファウルにできるチャンスがあるんです。ギリギリでファウルにできるんです。ここで。
イチロー 僕がよくやることというのはそのピッチャーの『一番遅い球を待って速い球に対応する』ということですね。これはあらゆるリスクをカバーできるアプローチだと思います。
スタッフ じゃあ、遅い球を待って速い球に対応できなかった経験はどれぐらいあるんですか?
イチロー (一瞬考えてから)ボールがベースの上を通ってくれればほほないと思います。自分の状態がノーマルに近い状態であれば。どうしようもない状態であれば、それはどんな球が来ても手が出ないという状態ですから、それは。
(続けて)
イチロー それは排除するとして、自分がノーマルの状態に近ければそれ(遅い球を待って速い球に対応できないこと)はほとんどないですね。
以上です。