2019年6月12日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でこの日のvs.ニューヨークメッツ戦のサブウェイシリーズで先発し7回途中5失点で4勝目をあげたニューヨークヤンキースの田中将大のピッチングについて黒木知宏がフリーアナウンサーの山本萩子と共に解説しています。
田中の試合後のコメント
―長女が生まれて最初の試合で勝利
田中 勝てたのはもちろん良かったですし、僕が登板する試合で今年は負けていることが多いので、そういう意味でも勝てたことは良かったです。
―試合を振り返って
田中 ゲーム全体を見たら、ここ数登板よりは全体的にいいボールはいっていたと思いますし、そこに関しては良かったかなと思います。
黒木の解説
今季4勝5敗 防御率3.58(6/12の試合終了時点)
およそ1ヶ月ぶりの勝利!
アナ 今シーズン最初のサブウェイシリーズに登板した田中投手、1ヶ月ぶりの勝利で良かったですね。
黒木 勝てて良かったと思いますね。本当にいい時と比べるとまだまだなんですよね。
アナ はい。
黒木 それでも徐々に上げていっている感じがしますね。本人の中で色んなアプローチをしながら模索をしていると思うんですけど、実際に今日は投球の幅を広げるような取り組みが見れましたね。
アナ どういうところだったんでしょうか?
黒木 前回も話をしましたけど、インコースの高めのフォーシームですね。ここにしっかりと投げることで、高低を使ったピッチングで目線を変えるというのを前回にお話をさせてもらいましたよね。
https://baseballspot.net/archives/11423/
アナ はい。
黒木 そういうことがしっかりとできている。今日は右バッターへのインハイへのコントロールが抜群だったので、その効果がしっかりと表れていましたね。
アナ なるほど。
黒木 そして今日面白かったのが初球のカーブです。今日は6人の打者に対して初球カーブを投げているんですよね。
アナ はい。
黒木 このカーブでしっかりとストライクを取れていました。低めへの投球のピッチャーのイメージがあったんですけど、なかなかカーブというイメージがないんですよね。
アナ そうですよね。これはどんな意図があったんでしょうか?
黒木 田中投手はフォーシームだったり、スプリットだったりで真っ直ぐ系の球を投げるピッチャーなんですよね。
アナ はい。
黒木 ただ、最近は相手もそれに慣れてきているので、その対策として高めのボールだったりとか、初球にカウントを取るためにカーブを使うというのを取り組んでいましたね。
アナ なるほど。そしてもう一つ前回と変えたことがあったんですよね。
黒木 そうなんです。前回と今日を比較して、プレートの立つ位置ですね。前回は3塁側を踏んでいるんですよね。
アナ はい。
黒木 それで今日はやや1塁側なんですよね。
アナ これはどういった意図があったんでしょうか?
黒木 3塁側だと角度が出ますけど、腕がなかなかプレートの上に乗らないんですよね。
アナ はい。
黒木 それが1塁側に寄ると腕がプレートに乗ってますので、より縦のラインが出やすいんですよね。そういった意味ではストライクを取りやすい状況になっていると思いますね。
アナ 確かに今日はフォアボールがゼロでしたし、ストライク率で見ても前回よりも上がっていますよね。(※ストライク率 前回は67%でこの日は73%)
黒木 そうなんですよね。今日はストライク率が上がっていますし、特に今日は初球のストライクが29人中24人ということですから、簡単に言いますとピッチャー優位のカウントになりますよね。
アナ はい。
黒木 そうなると高めも使う、カーブも使うということで初球ストライクを取れるようになれば、ピッチャー優位になりますので、これから勝てるんじゃないのかなという気がしますけどね。
アナ 今日はその投球を考えて勝てたと。
黒木 素晴らしいピッチングだったと思います。
以上です。