2019年10月13日にNHK総合で放送された『サンデースポーツ2020』で達川光男が2019年の日本シリーズ、読売ジャイアンツvs,福岡ソフトバンクホークスを展望しています。
もくじ
原監督と工藤監督の対決
アナ 日本シリーズは巨人対ソフトバンクの対戦が決定しました。試合は10月19日の土曜日からソフトバンクの本拠地から始まります。
第2戦 10/20(日) 福岡ヤフオクドーム
第3戦 10/22(火) 東京ドーム
第4戦 10/23(水) 東京ドーム
第5戦 10/24(木) 東京ドーム
第6戦 10/26(土) 福岡ヤフオクドーム
第7戦 10/27(日) 福岡ヤフオクドーム
アナ そしてチームを率いるのは巨人が原監督、ソフトバンクが工藤監督です。共に監督として日本一の経験が3回あります。達川さん、お二人はそれぞれどんな采配をする方ですか?
達川 普通、「静」と「動」のタイプがあるんです。
アナ はい。
達川 両方の監督に共通するのは「動」ですね。どちらかというと徳川家康のようにドシっとするよりも、豊臣秀吉のように「泣かせてみようホトトギス」というタイプの監督ですよね。
アナ どんどん手を変え品を変えという。
達川 そうですね。
工藤監督の采配とは
アナ まず工藤監督がどんな「動」なのかというのを見ていきたいんですが、例えばこんな場面がありました。
達川 これは内川の調子が悪いというよりも長谷川の調子がすこぶるいいんで思い切って使ったんですよね。そこで長谷川が見事に打って、内川がベンチで自分が打ったように喜んだということでね。非常にベンチが盛り上がりましたよね。
アナ ベテランの選手が監督の采配によってモチベーションが下がったりというのはないんですか?
達川 それはないですね。まあ松田も外されたり、中村晃も外されたりと色々ありますからね。やっぱり選手というのはユニフォームを着て打席に立てば100%の力を出しますよ。
アナ では、工藤監督の「動」の采配のキーワードを挙げていただいたんですけど、それがこちらなんですよね。(※フリップを出す)
アナ 先ほどの内川選手の交代で「遠慮はしない」というのが見えたんですけど、配慮もちゃんとしているシーンがあるんですよね。
達川 そうです。松田をファーストステージで2試合外しましたけどね、松田がファイナルステージでいい働きをしてベンチに帰って来るんですが、その時に監督がわざわざ歩み寄ってハイタッチと。
アナ 選手の間と間をかき分けてハイタッチしに行っていますね。
達川 はい。これからも頼んだぞという配慮を忘れてないですよね。
アナ これはやっぱり選手としては嬉しいものなんですかね?
達川 まあこれぐらいではまだ心は晴れないんですが、少しは晴れていると思いますよ。
原監督の采配とは
アナ さて一方の原監督の「動」の采配ということでまたキーワードを挙げていただきました。(※フリップを出す)
アナ 今日の試合(CSファイナル最終戦)でも原監督が勝負に徹する采配がありました。
達川 これはバントを2回失敗して追い込まれるんですよ。
アナ はい。
達川 この2回の失敗を見てたら全くできそうにないんですが、やっぱり采配に信念がありますね。
アナ ほー。
達川 「お前は何が何でもバントで送れ」と。普通なら右打ちとか進塁打の指示をするんですが、そういう妥協もなしで勝負に徹するという、原監督のメンタルの強さには感服というか素晴らしいものがありますよね。
アナ この場面で亀井選手は相当プレッシャーだったんじゃないですか?(笑)
達川 そうですね。決めた後にベンチで胃の部分を触ってるシーンがありましたよね(笑)
アナ そうですよね(笑)
巨人がソフトバンクに勝つには
アナ さあ、似た者同士の監督が率いる両チームの対戦ですが、セ・リーグのチームがここ数年日本一から遠ざかってるんですよね。
達川 そうですね。この10年でセ・リーグが勝ったのは2回だけですからね。
アナ そうなんです。パ・リーグが10年間で8回。そしてセ・リーグの2回は2009年と2012年ということで過去のデータを見るとパ・リーグなんですよね。
達川 はい。圧倒的にパ・リーグが有利ですし、今年も私はソフトバンクの方が圧倒的に有利だと思いますね。
アナ それはどうしてですか?
達川 やっぱり戦力。特に投手陣ですね。甲斐野とかモイネロとか森とかね。中継ぎが強いし千賀もいますからね。投手力は抜群に力を持ってますよね。
アナ 選手層が厚いと。
達川 そうですね。
アナ そんなソフトバンクに巨人はどうすれば勝てるのかというのをお聞きしたいのですが。
達川 やっぱり原監督の百戦錬磨の采配、勝負に徹する采配ですね。あとは丸ですね。
アナ 今日、そういう場面がありましたよね。
達川 はい。丸というのは勝負に勝つなら何でもするという選手なんです。6回裏2アウト3塁の場面で丸の打席での様子を見てください。ここで目を見ててください。
正面を見ているが一瞬だけサードを見る
達川 一瞬だけサードを横目で見ましたね。
アナ はい。
達川 それでサードの大山が後ろに下がっている、西にはシュートがあるというのもある、そういう色んな要素を考えたところでセーフティーバントをしたんですね。こういうのはカープ時代でもありました。敢えて言うなら西がいいボールをファーストに投げていればアウトになっていたかもれませんが、原監督も言っていたように「誰も予想していないプレーをやった」ということでね。
アナ はい。
達川 ああやって丸は色んなことをやるということですね。
以上です。