2019年11月18日に関西テレビで放送された『報道ランナー』で阪神タイガースの藤浪晋太郎の現状について臨時コーチの山本昌と古田敦也が関西テレビアナウンサーの新実彰平と共に語っています。
もくじ
手首を立てる
アナ 昌さん、藤浪投手は今シーズン0勝で終わりました。正直じっくり話したのは今回が初めてだと思いますが、どんな印象ですか?
山本 非常に野球に関して勉強しているのを感じるところがあります。かなり研究してますね。
アナ ほー。どの辺りで?
山本 僕が話をして返ってくる言葉に勉強してるなっていうのがスゴく感じるんですね。だから理論であったり、これがこうなったらどうなるっていうメカニック的な話が本人は好きなんですよ。
アナ なるほど。チェンジアップを投げたら手首が立ってストレートも走るようになるというアドバイスをされてましたよね。そんな藤浪投手は昨日(11/17の秋季キャンプで)紅白戦で投げていました。結果はいいボールを投げる場面もありましたが2回を3安打3失点、フォアボール2つに暴投1つでした。昌さんはこの日の紅白戦は私用があり生ではご覧になってませんが、映像を見てどのように感じてらしっしゃいますか?
山本 まず藤浪投手に関しては右バッターの方にすっぽ抜けないようにやっているので。まずそこなんですよ。
アナ はい。
山本 そこが自分で修正できたら、恐らく彼ぐらいのピッチャーだったらドンドン直っていくと思うんですよね。だから今回のことは全然気にしてないです。ただ、右バッターの体の方に抜けていくボールがなかったというのが私は逆に嬉しいんですけどね。
アナ 左バッターの足元とかに引っかけるのはある種、目をつむってもいいという事ですか?
山本 いや、これはこの秋季キャンプで彼が右バッターの方に抜けないようにやってきた事が徐々にいいフォームに近付いてきた。彼は普段から左バッターの方に引っかける投げ方をしていたので、それが出るのは当然なんですよ。
アナ なるほど。
山本 私の中ではまず右バッターに抜けるボールがなかった。左バッターに引っかけるのは必然だったというふうに思ってます。
アナ 良くなっていくプロセスという事ですね。古田さんはどのように見ていますか?
古田 僕も映像とかニュースで見ていたんですけど、どんなアイデアを彼に教えてあげたんですか?
山本 まず手首を立ててほしいということ。
古田 手首を立てる。
山本 そのためにまずはチェンジアップを練習してもらったんですね。あとは縦にボールを切る。
古田 縦に。
山本 やっぱりチェンジアップを投げていると、真っ直ぐにも必ずいい影響が出るんですよ。
古田 うんうん。
ラインの中で投げる
山本 まずはそこを指導して、その後は自分のラインの中で腕を縦に切る事を今取り組んでいます。
古田 ラインて何?(※視聴者に説明させるために何も知らないフリをしていると思います)
山本 あっ、そうかそうか。自分の体とホームベースの間を結んだ線の中で投球動作をする。その線の外に体がはみ出ない事ですね。
古田 なるほど。
山本 体のラインの中で投げること。それで手首が立っていれば必然的に右バッターの方には抜けないということです。
アナ そのラインの中でピッチングできれば必ずホームベース上にボールが行くんだというメカニズムという事なんですね。
古田 なるほどね。ピッチャーらしい理論的な指導ですよね。ピッチャー以外の人だと「気合いで!」とか言っちゃうからね(笑)
アナ (笑)
古田 まあちゃんと納得のできる理論的なメカニズムの指導ですよね。
藤浪の現状は
アナ そうですよね。その昌さんが描いているプロセスの中で左バッターへの引っかけるボールは必ず出るというお話だったんですけど、じゃあ藤浪選手の現状は何%ぐらいまで来ているとお考えですか?
山本 私は半分ぐらいだと思っています。
アナ 半分ですか。
古田 あっ、半分来てたらいいじゃないですか。大体「道半ば」と言われたとしたら1割か2割しか行ってないという事やからね。
アナ これは予定通りですか?
山本 ひとつ言えるのはブルペンではかなり良くなっています。
古田 なるほどね。
山本 試合になるとピッチャーはどうしてもストライクを投げないといけないので、そのストライクを投げようとすると覗きながら投げちゃうんですよね。
アナ あぁ。
山本 そうすると体が開き気味になるんですよね。そういう意味で紅白戦では色んなボールがありましたけど、試合に投げる前日に「今度は腕を通る位置が安定してきたらピンポイントで投げる練習しようね」と言ったばっかりなんですよ。
アナ ほー。昌さんの中で本当に段階がちゃんとあるんだなというが分かります。
以上です。