2018年11月4日にフジテレビで放送された「S-PARK」で谷繁元信が福岡ソフトバンクホークスのキャッチャー・甲斐拓也の盗塁阻止、通称甲斐キャノンについて解説しています。立浪和義、野村弘樹、真中満、フジテレビアナウンサーの宮司愛海と中村光宏(この二人はまとめてアナと表記)と共に語っています。
アナ 谷繁さん、ご自身の肩と比べて、どちらがスゴいですか?
谷繁 まあ、同じぐらいですかね(笑)
一同 ハハハ
谷繁 この日本シリーズでは捕ってからが速いですし、足のステップも正確ですし、送球のコントロールも全てが良かったですね。
アナ 谷繁さん、具体的に甲斐選手は何が優れているんですか?
谷繁 まず肩の強さというは皆さんが見て分かると思うんですよね。
アナ はい。
谷繁 あの低さでセカンドまで届かせるというね。それは持って生まれたモノもあると思いますね。
野村 谷繁さんも肩が強かったけど、甲斐選手と同じぐらい?
谷繁 まあ、全盛期なら同じぐらい(笑)
一同 ハハハ(笑)
野村 古田さんと比べたら?
谷繁 古田さんよりは強いと思います。
野村 あー。なるほど。
谷繁 古田さんは捕ってからが速い。そして送球が正確というところですね。
アナ まず肩が強いのは分かりました。技術的に優れているのはどこになりますか?
谷繁 あと素晴らしいのは下半身、足の使い方だと思うんですよ。
アナ はい。
谷繁 普通のキャッチャーというか技術的に劣るキャッチャーというのは、まず捕ってからの右足が大事なんですけど、どうしても右足を後ろに引いちゃうんですよ。
アナ はい。
谷繁 並のキャッチャーだと力が外に逃げてしまうんですね。つまり下半身の力がなかなか上半身に伝わらないんです。
アナ はい。
谷繁 甲斐選手はピッチャーが投げるボールを捕る瞬間にちょっとだけ左足を前に出すんです。余裕があるときにね。
アナ へぇ~。
谷繁 ちょっとだけ左足を前に出して、右足を前に出すスペースを作るんですね。
ここで日本シリーズで盗塁を刺した映像が流れる
アナ 確かに左足を前に出していますね。
谷繁 彼はかなり準備をしているときにはこの形が出るんですよ。
アナ はい。
谷繁 左足を前に出すことによって右足をステップするスペースを作って投げようとしているのが分かりますね。
アナ 他のキャッチャーはなかなか左足を前に出せないんですか?
谷繁 そうですね。なかなか前に出せないキャッチャーが多いですね。
アナ ピッチャーの球が速いからどうしても下がっちゃうんですか?
谷繁 いや、バッターが前にいますから、キャッチャーはどうしても受け身になるんですね。
アナ はい。
谷繁 受け身だとどうしても後ろに体重が掛かってしまってコントロールも定まらなくなる。
立浪 もしかしてそのステップは谷繁さんに教えたんですか?
谷繁 いや、彼と話はしたことはあるんですけど、教えたかどうかは覚えてないですね。
立浪 技術を盗んだということですかね。
野村 これは内野にも繋がる動きじゃないですか?
立浪 内野手も全て右足を前に運びますからね。左側の打球だと右足を後ろに運びますけど、右足を前に運ぶのは基本ですよね。野手の基本動作だと思いますね。
真中 気になったことがあるんですけど、相手が走ったときはストレートが非常に多かったと思うんですよ。
谷繁 はい。
真中 配球を考えた中でのバッテリーの共同作業に見えたんですけど、どうなんですか?
谷繁 そうですね。盗塁する側のベンチはある程度の変化球が来るタイミングでスチールのサインを出したがるんですよ。
アナ はい。
谷繁 例えば、1ボール2ストライクでフォークボールで三振を取りにいくときにランナーを走らせると、ワンバウンドになったらどうしてもセーフになる確率か高くなるんですよね。
アナ はい。
谷繁 でもそこで彼は真っ直ぐ系統を少しボール気味に要求したり、準備をしっかりとしていましたよね。
真中 しっかりと投げられるピッチャーも素晴らしいですよね。
谷繁 はい。
里崎の甲斐キャノンの解説
古田の甲斐キャノンの解説
赤星の甲斐キャンの解説
以上です。
一番分かりやすい解説だと思います。