2018年12月23日にNHK総合で放送された『サンデースポーツ2020』で2018年シーズンをもって引退をした読売ジャイアンツの山口鉄也と中日ドラゴンズの浅尾拓也が対談しています。ちなみに山口の方が1つ年上です。

 

山口が語る浅尾のすごさ

山口 シーズン通して79試合だっけ?

 

浅尾 はい。(2011年79試合登板 防御率0.41)

 

山口 めちゃくちゃ投げてのに防御率がすごい。毎日球が速くて、変化球もすごくて、自分がブルペンで見てる時はすごいなと思ってました。うちのバッターに聞くと、「浅尾くんが出てきたら打てない」みたいなことをロッカーで言ってたんで。

 

浅尾 ありがとうございます。

 

 

浅尾が語る山口のすごさ

浅尾 僕は3年~4年くらいしか活躍できなかったんですけど、それを継続してずっと活躍されていたこと。敵チームのすごい方と言えば山口さんが一番に思い浮かぶくらい(山口は9年連続60試合登板)。羨ましいと思った部分もありますし、同じポジションとして、ずっと頑張ってほしいというのも思ってました。

 

山口 ありがとうございます。

 

 

中継ぎの日々の心構え

山口 ブルペンで毎日肩作る?

 

浅尾 よほど点差が離れない限りは作ってましたね。

 

山口 ブルペンの時はどんな気持ち?

 

浅尾 めちゃくちゃ緊張しますね。水とか貰うんですけど、手も震えますし、満塁とかで投げることになったら最悪ですし。だけど、行っちゃえば、もうどうってことないですね。緊張とかしますか?

 

山口 いや、俺はめっちゃくちゃ(苦笑)

 

浅尾 そうですよね。

 

山口 投げたくない、投げたくないとずっとブルペンで言ってて、絶対に打たれるわってずっと言ってるタイプだから。

 

浅尾 はい。

 

山口 投げたくないと思ってるタイプだった?

 

浅尾 投げたくないです(苦笑)

 

山口 あぁ。

 

浅尾 特にピンチの時とか。同点だったら負けが自分につくからまだいいんですけど、1点差は本当にイヤでしたね。

 

山口 あぁ、良かった(笑) それを聞けてちょっと良かった(笑)

 

 

登板前の準備

山口 球数とかは極力少ない?

 

浅尾 僕はそうですね。12~13球投げて。山口さんは何球ぐらい?

 

山口 30球いかないくらい。

 

浅尾 そんなにですか(笑)

 

山口 そう(笑)

 

浅尾 えぇ・・・。

 

山口 (待ち時間で)アウトが取れない時間が長ければ長いほど球数が増えていくし、だから行く前に50~60球投げて(苦笑)

 

浅尾 すごいですね(笑)

 

山口 それはみんなに、ブルペンキャッチャーとかに怒られるけど。

 

浅尾 投げ過ぎだと。

 

山口 そうそう。でも、不安だからやっぱり増えちゃうんだよね。

 

浅尾 思ってたのとちょっと違いました。

 

山口 あっ、ほんと?

 

浅尾 はい。

 

 

中継ぎのとんでもない重圧

山口 悪い方がやっぱり覚えてる?

 

浅尾 悪い方が覚えてますけ。打たれた時とか。

 

山口 分かる。

 

浅尾 山本昌さんの勝ちを消し続けたことがあって。

 

それは6年前の2012年。19歳年上の山本昌が勝利数の球団記録まであと1勝と迫っていた試合のこと。山本昌は勝ち投手の権利を得てマウンドを降りる。8回から登板の浅尾は2点のリードを守れず勝ち星を消してしまう。更に次の山本昌の試合でも浅尾が勝ちを消してしまう。

 

浅尾 さすがにちょっと中継ぎを辞めたいなと思いました(苦笑)

 

山口 でも、山本昌さんは何も思ってないでしょ?

 

浅尾 とは言ってくれるんですけど、やっぱりやってる時はキツかったですね。

 

山口 やっぱり先発の勝ちは消したくないよね。

 

浅尾 そうですね。

 

山口 先発の1週間の調整も見てるしね。

 

浅尾 先発はその1勝で給料も変わってくるので。

 

山口 しかも負けが続いてる人のリリーフは厳しいよね(笑)

 

 

浅尾 何か記録がかかってる時はイヤですね。

 

山口 そうそう。あと新人の初勝利とか。

 

浅尾 はい。

 

山口 記録がかかってるとかはイヤだよね。

 

浅尾 イヤですね。

 

山口 分かるわ、気持ち。しかも、打たれた時が新聞とかに載る。抑えた時はあんまり載らないし。

 

浅尾 「また浅尾か」みたいな感じで(笑)

 

山口 ツラいよね。

 

浅尾 はい。

 

山口 でも、中継ぎをやるのはそれが宿命だからね。

 

浅尾 そうですね。

 

山口 だから、俺は極力目立たないように、何も新聞に載らないように、と思いながらやってきた。

 

浅尾 はい(苦笑)

 

 

セットアッパーの醍醐味

浅尾 毎日試合に関われること。あとは自分が投げて勝った試合は一緒に喜べることがやっぱり嬉しい。僕たちのチームには岩瀬さんという絶対的な守護神がいたので、なんとかそこに繋げようという思いでみんなひとつになるって。やっぱりそれで勝ち続けた時はすごい嬉しかったですね。

 

山口 勝った時はみんなで喜び合えたし、1球とか1アウトで流れを変えれるというのが自分の中では醍醐味というか、それで流れを変えれたら、仕事ができたなっていう充実感がありますね。

 

 

生まれ変わってもセットアッパー?

山口 生まれ変わったら野手になりたいなあ。

 

浅尾 分かります(笑) 僕もそうです(笑)

 

山口 野手の方がサヨナラホームランを打ったりでカッコいいしね。

 

浅尾 そうですね。

 

山口 じゃあ、生まれ変わってもセットアッパーじゃない?

 

浅尾 じゃないですね。

 

山口 やっぱり(笑)

 

 

以上です。

この2人のおかげで巨人中日は勝ちを拾いまくった。

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