2019年9月6日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でMLB公式アナリストのデビッド・アドラーが2019年シーズンのトレンドについて語っています。
今シーズンの傾向
アドラー 今シーズン、フライの平均飛距離はスタットキャスト史上最長。去年よりおよそ1メートル伸びています。今年は全ての打球のうちハードヒット(打球初速152キロ以上)のフライの割合が史上初めて10%を超えました。10本のうち1本以上が強いフライなんです。強いフライはホームランになる確率が高いので、ホームランが増えています。
アドラー 彼らは三振を増やす方法を考えています。三振を取れれば最高ですからね。2015年以降、変化球の平均回転数は年々高まっています。フォーシームの平均回転数もスタットキャスト史上最高。どちらも回転数が高いので三振が増えています。中には新たな哲学のもと、変化球を増やし速球を減らしている投手もいます。
新たな哲学 『変化球が増えて速球が減る』
アドラー 速球を投げるカウントはもうありません。2ボールや3ボールで必ず速球を投げる時代がありましたが、今はあらゆる球種を投げます。甘いコースに速球を投げたら打たれてしまうからです。
MLB 変化球の割合(9/5時点) | ||
データスタジアム調べ | 2018 | 2019 |
全体 | 45.2% | 47.6% |
0ストライクの時 | 38.6% | 42.1% |
アドラー 初球に速球でストライクを取りにいくピッチャーもいますが、それを狙うバッターも大勢います。
アドラー 最近のピッチャーは追い込んでから様々攻め方ができますからね、早いカウントから振ってくるなら空振りを取るためには変化球が最も効果的です。
アドラー あくまで予想ですが、特定の球種ではなく空振りを奪うために球種の組み合わせについて、これまで以上に考えるようになるかもしれません。
最高の相乗効果を生み出す 『球種の組み合わせ』
アドラー バウアーのように球種の組み合わせについて、より深く考えるピッチャーが増えるでしょうね。また、チームメイトとのコミュニケーションの中で球種の握りを教わるピッチャーもいます。ダルビッシュは先日キンブレルから教わったナックルカーブを使い三振を奪いました。得意な球種の情報を共有すればそれぞれの持ち球に応じた組み合わせを考案することができます。相乗効果を生み出す球種を見つけることがピッチャーにとっての答えになると思います。
以上です。