2020年1月16日に読売テレビで放送された『朝生ワイド す・またん』で阪神タイガースの矢野燿大監督が2020年の構想を読売テレビのアナウンサー森たけし(以下森)、野村明大(以下野村)、平松翔馬(以下アナ)と共に語っています。
もくじ
相対的に戦力アップ
アナ 明るい話題からいきましょう。こちらです。
森 明るい材料の割りにマイナス思考的だな(笑)
矢野 本当にそう思いました(笑)
アナ セ・リーグの各球団が軒並み戦力ダウンということでこちらです。
DeNA 筒香悦智 29HR 79打点→メジャー
中日 ロドリゲス 64試合44HP→メジャー
ヤク バレンティン 33HR 93打点→ソフトバンク
アナ 巨人山口投手、DeNA筒香選手、中日ロドリゲス投手がメジャー。そして矢野さん、ヤクルトのバレンティン選手もソフトバンクにいきましたね。
矢野 はい・・・そうなんですよね。
森 乱闘の相手ですね。
矢野 あぁ、そういうことね(笑) 一戦交えたね。
アナ 2017年ですね。矢野さんの飛び蹴りに怯えていましたが。
矢野 全く相手になってなかったんで(笑) 本当にスゴいパワーだったんで(笑)
アナ まあ、コーチの頃からこうやって感情を大きく出すのが矢野さんらしさですよね。
矢野 そうですね。楽しい時は思い切り楽しくやりたいなとは思ってますね。
アナ そして他球団が戦力を落としたというのはタイガースとしてはどうですか?
矢野 まあ、自分たちの方が大事なんで。巨人は穴埋めに外国人投手を獲ったりとか、DeNAも外国人野手を獲ってるんで、ダウンという事だけではないと思うんで。
森 なるほど。穴埋めはしてきまてますよね。
矢野 はい。
アナ その辺りで今シーズンは「この球団を警戒しないといけないな」というのはありますか?
矢野 やっぱりジャイアンツを意識してやっていきたいと思いますね。
森 優勝チームですからね。あそこに勝ち越してほしいですよね!
矢野 そうですね。タイガースファンが一番求めていることがそれなんで、やっぱりジャイアンツを意識して今年はやっていきたいと思います。
野村 矢野さんのスゴいところは「優勝します」とサラっと明言しますし、「ジャイアンツ意識してません」って言う人もけっこう多いんですけど、そこを敢えて明言していくっていうのが矢野さんらしいなと思いますね。
矢野 そうですね。夢とか目標は言い切らないと実現しないんで、僕は常に言い切っています。
助っ人8人について
アナ 続いてのテーマは『球団最多!助っ人8選手をどう使う?』です。
森 でもこれはまだ分からんでしょ?
矢野 そうなんです。今はまだ聞かれても僕は分からない(笑)
森 まだ野球をやってる姿を現場で見てないですからね(笑)
アナ まあ、開幕から外国人選手が8人というのは阪神では史上最多ということで、今年から加入するボーア、サンズ、エドワーズ、ガンケル、スアレスの5選手。そしてもともといる選手はマルテ、ガルシア、呂の3選手となります。1軍登録というのは最大で4人登録できますけど、色んなパターンの使い分けを考えられますよね。
矢野 そうですね。普通はピッチャー2人、野手2人だと思うんですけど、やっぱチームの状況やバランスによっては野手3人とか、ピッチャーが3人になる場合もあると思います。
森 心配してんのはドリスさんとジョンソンさんが抜けたのが大きいじゃないですか。ここをどうするんやろうかと。
矢野 そうですねぇ。まあ、それを補えるようなピッチャーを獲れたと思うので。
森 あっ、そうですか。
矢野 その辺りは心配はしてないです。
アナ 8人の外国人選手がいますと、4人が1軍にいますけど、残りの4人の外国人選手は1軍に登録できないということになります。
矢野 はい。
アナ この辺りでのモチベーションの維持についてはどのように考えていますか?
矢野 うーん・・・まあ、これは競争なんでね。そういうところではモチベーションというか、通訳も増やしていくことによってケアもしていきますけど、この外国人助っ人8人で競争も激しくなるというところで、モチベーションも勝手に上がるんかなと思いますね。
森 しかし、今年の年俸で考えると2億7500万円で一番高いボーやん(ボーア)が打ってくれないと困りますね。
矢野 そうですね。まあ、ボーやんにやってもらわないと。
一同 (笑)
森 乗っかってくれました(笑)
大山の扱い
アナ ボーやんにはやっぱり4番として期待されますか?
矢野 そうですね。まあ、今年は奪い取ってほしい4番だと思っているんで。
アナ なるほど。
矢野 競争の中で勝った選手を4番にしようかなと。
森 ボーやんの守るところはファーストしかダメなんですよね?
矢野 基本そうですね。マルテはサードもありますし。
森 そうすると大山さんが、というのもあるんですよね。
アナ そうですね。4番でボーア選手と争い、サードでマルテ選手と争うというのが大山選手になります。
矢野 はい。
アナ 大山選手にはどういう期待をされていますか?
矢野 やっぱり、僕が一番大事にしたいのは生え抜きの選手を育てること。それによってチームが安定するんで。
アナ はい。
矢野 やっぱり悠輔が出てくるというのはチームにとってスゴく大きいんですよ。
森 うんうん。
矢野 でも悠輔の成長のためにも、こういう争いの中から勝ってきた力がないとやっぱりチームの中心になれないと思いますね。
森 なるほど。去年4番を外したというのは苦渋の決断だったんちゃうかなと思うんですけど。
矢野 いやぁ、悩みましたね。これが本当にチームのために、悠輔のためになるのかなってうのはスゴく迷いましたけど。
生え抜き育成について
アナ 大山選手以外にも、生え抜き選手への期待というのはそれぞれに大きいものがありますかね?
矢野 タイガースファンはやっぱりそこに一番期待してるんですよね。
森 はい。
矢野 ほんでチームの安定的な強さに繋がるのもそこなんですよ。
アナ はい。
矢野 だからドラフトでも高校生ばっかりというのがあったように、やっぱり生え抜きで軸を作りたいというのがメインなんですけど、目の前の足りない所を外国人選手で補強するというのも必要。それで競争が激しくなるじゃないですか。
アナ なるほど。ドラフトで高卒選手ばっかりだったのは矢野さんの意向というのがやっぱり大きかったんですか?
矢野 意向というよりも、どの選手を獲ることがチームのためになるのかなと。
アナ はい。
矢野 それを考えたときに、あの時点では高校生を指名した方がチームのためになるんかなと。
森 だから、木浪さんか北條さんか、というのでも悩むところですよね。
矢野 いい悩みですね。
森 うんうん。
矢野 本当にチーム全体のレベルがグッと上がってるんで、だから優勝できると思ってます。
藤川球児について
アナ シーズンに向けてのキャンプインまで間もなくなんですが、この時期になると色んな選手が自主トレを公開してますよね。
矢野 そうですね。
アナ そういうのを報道とかで見られて、どういうところをチェックされていますか?
矢野 チェックしてるわけじゃないけど、でもどういう事を喋ってんのかなっていうのはスゴく見てます。
森 ほぉー。今日(この放送は1/16)なんかは藤川さんが一面を飾ったりしてますけど、もうキャンプ地の宜野座に行ってはるんですね。
矢野 そうですね。基本的に球児はやってますけど、どうなんですかね、もしかしたらいつもより早い仕上がりになってるんじゃないですかね。
森 昔はこんな早いことはなかったですよね。
矢野 そうですね。まあ、今の選手はどんどん早くなってるんで。
森 早くなってますねぇ。大変ですねぇ。
アナ 矢野監督は先ほど選手の言葉に注目していると話されていましたけど、球児選手は今年40歳のシーズンで「防御率0点台を目指す」と話されています。この辺りはどうですか?
矢野 まあ、球児ならやってくれるんじゃないかなって思ってますし、しっかりと言い切ってくれてるんで。「壁をぶち破る」とか「壁をぶち破れたらいいなあ」とかではないんで。
森 現段階では抑えは球児さんと決めてはるんですか?
矢野 もう決めてますね。名球会まで7セーブですし、松坂世代では誰も名球会で入った選手がいないんですよね。
森 うんうん。
矢野 球児には名球会に入ってもらって。
アナ 現役時代から矢野さんは球児選手の球を受けてましたけど、キャッチャーから見る藤川選手と、逆にベンチから見る藤川選手はどうですか?
矢野 まあ、あんまり変わらないですね。もう球児を出したら僕の仕事はもう終わってるんで。
アナ なるほど(笑)
矢野 現役時代は球児が出てきたら勝手に抑えるんで。球児の力はずば抜けているんで。信頼関係ですね。
森 39歳になっても衰えないのが凄いですよね。
矢野 そうですね。トミー・ジョン手術をやって3年後ぐらいが一番馴染むんですよね。そういうデータもあるんですけど。
森 うんうん。
矢野 そういうのもあるんですけど、40歳間近のシーズンでこのパフォーマンスは凄いですね。
アナ 藤川選手の2019年シーズンは7月26日から抑えを任され、CSを含めて25試合で19セーブ。リードを守れなかった試合はなし。失点したのは3試合だけ。圧巻でしたね。
矢野 もう本当に凄いですよね。僕の現役時代にまた戻ったというか、それぐらいの感じでしたね。
森 もう球児さんで負けたら我々は納得いきます。
矢野 僕もそうです。
打線の構想
アナ 抑えの球児選手にバトンを渡すためにはリードをして投げてもらわないけません。そこで得点力が大事になってくるんですけど、現段階ではどのような打線の構想がありますか?
矢野 うーん・・・近本の成長次第だと僕は思ってるんですけど、近本が成長できた時に2番近本がいいかなと思ってます。
森 えっ、成長したら2番ですか?
矢野 はい。2番の方が色々と攻撃にオプションが生まれてくる。
森 なるほど。
矢野 自分のバッティングだけという感じではなくて。
森 ランナーを進めたりするバッティングもできたらと。
矢野 色んな作戦もありますし、状況もありますし。
アナ 近本選手の成長を期待しているということですが、2年目のシーズンというのは色々と難しい部分もありますよね。近本選手にどういうところで期待しますか?
矢野 近本はいい意味でマイペースなんで。そういうものがあるんであまり心配してないですし、もちろん欠かせない選手なんでもっと高いレベルで盗塁王を獲ってもらってチームに貢献してもらいたいですね。
アナ 2019年シーズンのスタメン1番打者は近本108試合、木浪24試合、上本4試合、鳥谷3試合、糸原2試合、糸井1試合、北條1試合ということでした。今シーズンは糸井選手の1番というのも考えていますか?
矢野 そうですね。嘉男の1番もありますし、嘉男の2番もあり得るかなと。
アナ なるほど。
矢野 まあ、今の現時点でのバッティング技術だと2番は嘉男の方が高いと思うんですよね。でも1番嘉男というのも相手にプレッシャーをかけられるんで。走ることもできますし、威圧感やプレッシャーをだいぶ与えられるかなと。
森 まあ、4番のボーやんが打ってくれれば。
矢野 ボーやんですね。
キャンプに向けて
アナ キャンプも近付いています。今年は東京オリンピックの影響で開幕が早くなります。第1クールから実戦予定なんですよね。
矢野 そうです。
アナ この辺りはどういう調整していきますか?
矢野 去年の秋季キャンプが終わった時点で選手たちには第1クールから実戦やるよと伝えているので。みんなも早く仕上げてくると思うので、キャンプというよりも実戦に向けた練習キャンプになると思います。
森 テストしないといけないから新外国人選手の見極めも難しいですよね。
矢野 そうですね。その分、若い選手にはチャンスが少なくなる年になると思うので。
森 うんうん。
矢野 まあ、早く仕上げてきてもらいたいですね。
以上です。