2021年10月30日にBS1で放送された『ワースポ×MLB』でかつて西武ライオンズ、阪神タイガース、千葉ロッテマリーンズでプレーしたクレイグ・ブラゼルが日本時代の思い出を語っています。
ブラゼル やぁ、僕のことを覚えているかい?ブラゼルセンシュだよ(笑顔)。
ブラゼル 今はトレーニングジムのオーナーさ。
ブラゼル あれは千葉でのロッテ戦だった。
ブラゼル あの直後は膝が動かせないぐらいに腫れてしまったけど、いい仕事ができて良かったよ。テレビでも珍プレーとして何回も取り上げてもらえたからね。
ブラゼル 巨人のラミレスからは何度も電話をもらったよ。彼は引っ張るのをやめて逆方向に打つ事を心掛けろと教えてくれた。それでレフト方向に打つ練習を徹底的にしたよ。試合でもほとんど引っ張る事はしなかった。彼は日本で10年以上活躍しているから、彼のアドバイスを聞けば間違いないと思ったんだ。
ブラゼル あの時は球場を入れ替えたかったよ(笑) 甲子園には左バッターには不利だからね。でも、あの年は自分でもいい活躍ができたと思うよ。
ブラゼル 実はあの時、妊娠した妻がアメリカに帰国していたんだ。そしてあの試合の前に陣痛が始まったと妻から電話があって、気が気じゃなかったんだ。
ブラゼル ホームランを打ってベンチに戻ってきたら、通訳に電話を渡されて「いま産まれた」って聞いたんだ。ちょうど僕がホームランを打った時に産まれたんだよ。ベンチ裏でヘルメットを付けたまま電話に出ると、息子の泣き声が聞こえてきた。その時は感情を抑えられず、赤ん坊のように声を上げて泣いてしまったんだ。それを見たみんながハグしてくれたよ。
ブラゼル 2本目のホームランは涙でにじんでいたから、自分でもどうやって打ったかのか覚えていないんだ。でも、チームメイトが祝福してくれた。本当に素晴らしい瞬間だったよ。
ブラゼル これは息子が産まれた瞬間に空中を飛んでいたかもしれないボールなんだ。日本での思い出はたくさんあるけど、あの夜は本当に最高だった。今でも家に写真を飾っているんだ。
ブラゼル いつか3人を甲子園球場に連れて行きたいね。
ブラゼル 長男は行ったことがあるけど、下の2人は僕の現役時代を知らないからね。
ブラゼル 引退して2年ぐらいは遊んで暮らしていたんだけど、そろそろ新しい事を始めたいと思ったんだ。そんな時に10年以上、ピラティスをやっていた妻に勧められてジムをオープンしたんだ。どこへ行ってもキレイな日本のように細かいところまでしっかりと注意をして仕事をしているよ。
ブラゼル 妻に言われて試しにやってみたら、体が硬かった僕でもつま先を触れるようになり、太もも・膝・腰の全ての状態が良くなったんだ。とにかく素晴らしいトレーニングだから、みんなにオススメするよ。終わったらヘトヘトになるけどね。
ブラゼル 厄介なウイルスが蔓延しているけど、みんなで戦い続けよう。挫けず、楽しむ時は楽しんで、そして世界一の野球ファンであり続けてほしい。今季は阪神とロッテが好調なんだよね。日本シリーズがこのカードになったら、日本に行って、それぞれのユニフォームを着て応援しないとね。阪神の矢野さんもロッテの井口さんも最高の選手で最高のチームメイトだったから、とても尊敬しているよ。
(続けて)
ブラゼル ハンシンガンバッテ!ロッテガンバッテ!(※日本語)
以上です。