2023年10月8日にNHK総合で放送された『サンデースポーツ』で阪神タイガースの岡田彰布監督と解説者の藤川球児がリーグ制覇について語っています。
もくじ
最初は軽く雑談から
岡田 今日はサンデーモーニング?
藤川 いえ、今日はサンデースポーツです。
岡田 サンデースポーツ。サンデーモーニングちゃうな(笑)
集大成
藤川 監督、18年ぶりの優勝。本当におめでとうございます。
岡田 うん。ありがとう。まず達成感はあるよ。俺はだって、最後の集大成やからな。今までやったいい所を全部、今回のユニフォームを着たことで全部出さなアカンわけ。
藤川 (無言で頷く)
18年前とは違う投手の起用法
藤川 私たちの時は『JFK』というのを監督が作られましたけど。
岡田 うん。今回の方がコマが多いからね。
藤川 はい。リリーフのコマを増やした印象があります。
岡田 使い方というか、バリエーションにスゴく富んでるんで、今回の方がやりがいがあるな。
今季のリリーフは総勢20人起用し、前回優勝時の『JFK』とは大きく異なる。
岡田 前はカチっとハマってしもたからな。もう名前言うたら終わりやったやんか。
藤川 はい。使われる方も楽でした。
岡田 審判も名前を言わなくても分かってたから。だから今回は「えっ?」と審判が言うのは結構あるよ。
藤川 島本とかワンポイントのリリーフをトントンと、あれはどこもやってなかったと思うんですけど。
岡田 だから適材適所というか、そういう場面で投げさせて徐々に「こいつはこういう時の方が力を発揮できるな」とかな。色んなのを考えるのが好きなんよ。ただそれだけ(笑) 考えるのが好きやからな。
2軍にも目配り
岡田 フレッシュオールスターで9回に桐敷がマウンドに行きよったんや。そしたら三者凡退でな。この時に初めて桐敷のリリーフを見た。
藤川 そうですか。
岡田 うん。あの1イニングの姿を見た時に、すぐ後半戦で1軍のブルペンに入れたよ。これはいけると思ったな。
25試合 防御率0.94
チームの優勝に大きく貢献
藤川 恐らく2軍監督との連携もあると思うんですけど、トップダウンで「こいつだ」という時は迷いなくですか?
岡田 それは迷いはない。俺の判断で全部やるよ。そんなの相談しない。相談したは迷うから(笑)
藤川 (無言で頷く)
岡田 「桐敷はリリーフやったことないから無理ですよね」とスタッフが言っても、やったことないから無理って、それだったら一回やらせたらいい。決断する時は自分で決めた方がええよな、いつも。
野手の起用法(大山、佐藤、中野)
岡田 やっぱりクリーンアップ打てる2人を、昔の王さん長嶋さんじゃないけど、ドシっとファーストサードに置いて、打つ方に専念させようと。
その結果、大山は最高出塁率、中野は最多安打のタイトルを獲得。佐藤は8月以降の打率は3割3分をマーク。中でも佐藤には技術だけでなく野球への向き合い方も指導
藤川 (佐藤が)ゲーム中に打てなくて、ベンチ裏にいた所を監督が見たと。そこで態度が良くないんじゃないかと判断を下したという記事を見たんですけど。それで2軍に行くことになった。その決断をバシッと下して。
岡田 それはゲームの結果だけやなしに、練習の時からの姿勢やな、おーん。やっぱり技術だけやなしに、そういう取り組む姿勢というか、みんなの集まりがチームやからな。
藤川 その後、目の色が変わったように。
岡田 いやいや、一番変わったのはヒーローインタビューの言葉やわ。「お前、『最高』という言葉を言うな」と言うたけどな(笑)
5月頃までのヒーローインタビューでは「最高です」を頻繁に使っていたが後半戦のヒーローインタビューでは使わなくなった。
岡田 何でも「最高です 最高です」で済ますなって。ファンの人はどういう感じで打てたのか聞きたいわけやからな。
藤川 はい。
岡田 ちゃんと説明しろと。
今の選手たちとの接し方
藤川 選手たちとの関わり方。
岡田 うん。
藤川 昔、今から10年以上前と変わったところは監督自身もありますか?
岡田 それはもう前回に比べたら選手と喋るのはめっちゃ多くなってるよ。20代後半くらいの選手たちが多いんだけど、ちゃんと接したら真面目やな。まあ真面目ではないんやけど、接し方を間違わんかったら、素直にみんなそういう行動を起こせると思うしね。その感性を若い奴らは物凄く持ってると思うよ、ハッキリ言うて。
これからの阪神
岡田 今年はスタートだと思う。今のチームは本当のスタート。ある程度こういう風にしたら勝てるとか、役割とか、色んなことを今年でだいぶ分かったと思うから、もう一段階レベルアップをすれば、本当にずっと常勝チームでいけると思うよ。
以上です。