2018年6月25日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のシアトルマリナーズ戦で登板し7回無失点の好投をしたボストンレッドソックスのクリス・セールの投球をメジャーで活躍した高橋尚成がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に分析しています。
【この日のセールの投球内容】
7回93球、被安打4、奪三振13、与四死球1、失点0
今季7勝4敗 防御率2.56 (6/25の試合終了時点)
【セールの試合後のコメント】
セール 開幕時よりテンポやリズムが良くなっている。
アナ レッドソックスがマリナーズとの3連戦を勝ち越しました。高橋さん。
高橋 はい。まあ、昨日(6/24)の試合は完敗と言ってもいいような試合だったんですけど、今日は本当に借りを返したような見事な完勝だったと思いますね。その中でもセールの投球かなという感じがしますね。ほぼ全部が完璧と言ってもいいぐらいの投球だったんですけど、その中でも特にフォーシームが良かったと思いますね。
アナ はい。
高橋 今日の平均球速は157.7キロと前回までの平均より約5キロもアップしているんですよね。(※前回までの今季平均球速152.2キロ)
アナ うーん。
高橋 とにかく球が速かった。その一言に尽きますね。それで極め付きが今日最後となった93球目に自己最速の161.7キロを出して吠えていたので気合も入っていたのかなと思いますね。
アナ 最後に最速を出して来ましたもんねぇ。
高橋 いや、完璧でしたね。速い球を投げるからこそ腕が強く振れるんですよね。その点ではスライダーとか変化球が効いてくるんですよね。スライダーのキレも良くなっていると思います。
アナ では、セール投手の月別の球速を見ていきたいと思います。
【セールの月別の平均球速】
4月 148.8km/h
5月 153.8km/h
6月 156.1km/h
アナ ご覧のように徐々に上がっているんですよね。
高橋 うーん。これは上げて来たと言っても過言ではないと思います。これまでのセールは後半に息切れする事が多かったんですね。このデータを見ると徐々にというのが見えてきますね。
アナ 実際に昨シーズンまでの前半戦と後半戦のセール投手の成績を見比べてみますと。
【セールの通算成績(2010~2017)】
前半戦 133試合 59勝22敗 防御率2.74
後半戦 127試合 32勝36敗 防御率3.28
アナ これ明らかですよね。前半は勝ちが多くて、後半は負けの方が多いというデータになっています。
高橋 そうなんですよね。チームとしては後半の大事な8月以降にやっぱりセールのようなエース級がしっかりと活躍してくれて勝ちをもたらしてくれないとチームも乗っていけないと思うので、本当に8月以降の大事な時期に上げて行くということだと思いますね。
アナ うーん。
高橋 レッドソックスのアレックス・コーラ監督ともよく話し合ってやってきていると思いますね。
アナ 計画的なんですねぇ。
高橋 そうですね。計画的に行われていて序盤では何でこんな場面で交代するのかなというのがかなり多かったんですよね。この現状を見ているとしっかりと話し合ってやってきたと考えられますね。
アナ ここからが本気のセール投手が見られるわけですね(笑)
高橋 本気のマジのセールが見られますよ。
以前、高橋尚成はクリス・セールのスライダーを分析しています
以上です。
序盤戦は力を抑えつつ夏場に向かって調子を上げるのは大事なことですね。左で160キロ以上の剛速球だとほとんどの打者は打てないと思います。