2018年8月22日にBS1で放送された「ワールドスポーツMLB」でこの日のマイアミマーリンズ戦で先発し勝ち負けは付かなかったものの6回を1失点の好投を見せたニューヨークヤンキースの田中将大のピッチングを元ロッテの黒木知宏がフリーアナウンサーの平原沖恵と共に解説しています。
【この日の田中の投球内容】
6回82球、被安打4、奪三振4、与四死球1、失点1
今季9勝4敗 防御率3.90 (8/22の試合終了時点)
【田中の試合後のコメント】
田中 ここ数試合より手応えがあった。次の登板まで時間があるので、よりいいものにしていければ。
アナ 田中投手、またまた10勝目は持ち越しとなりました。黒木さん。
黒木 すごくいいピッチングをしたんですよね。ただ、相手のピッチャーもすごく良かったですし、打線との兼ね合いもありますんでお預けとなりましたね。
アナ 本人は「ここ数試合よりも手応えがあった」と納得のピッチングだったようです。
黒木 本当に本人に言う通りにボールを操っていましたね。特に低めのコントロール、そしてボールをよく動かすというのがありましたし、特に今日さすがだなと思った場面が4回のピッチングでしたね。
アナ はい。その4回ですが、1点差で1アウト1-3塁の場面でした。
黒木 ボールが少しでも浮きますと外野フライで点数が入るような状況なんですよね。ただ、ボール球を恐れずにしっかりと低めを意識して、絶対に高めには投げないぞという意志が見えるボールを投げ続けるんですよ。
アナ はい。
黒木 カウントを不利にしてしまえば大変だったんですけど、田中投手は技術もありますし、本人も言っていたようにボールを操れている、コントロールできているという手応えのあるピッチングでしたので、とにかく内野ゴロを打たせるためのボールを投げ続けたのがポイントになりましたよね。
アナ 今日は意識したところに投げきったと。
黒木 はい。今日投げたスプリットについても分析したいのですが、8月10日に6失点した時はスプリットがバラつきがありましたが、今日はとにかく右バッターボックスの内角寄りに投げられていました。
アナ はい。
黒木 田中投手のすごいところは調子の良くなかった8月10日でも、調子が良かった今日でもスプリットが左バッター寄りには投げないんですね。これはどういうことかと言いますと、田中投手のスプリットはシュート回転しながら、シンカーのように落ちていくんですね。
アナ はい。
黒木 左バッターは外に逃げていくのでゴロになりやすい。そして、右バッターからすると、食い込んできますので、これも内野ゴロになりやすい。これを意図して投げているのが田中投手。
アナ 左バッター寄りに流れていると危険な球になるんですか?
黒木 その場合は右バッターだと腕が伸びてきますので、高めに浮くとホームランになったりとか、左バッターでも甘めになると長打になりやすい。田中投手のスプリットは左バッターにとってはより遠くへ、右バッターにとってはより食い込むようなボールです。今日は特にそれが上手くできていたので、ピンチの場面でも上手く内野ゴロを打たせていましたよね。
アナ これだけ調子がいいのに82球で降板したのはもったいなかったですね。
黒木 まあ、もう少し続投も見たかったですよね。でも、チームの勝利を考えた時に打線との兼ね合いもありますからね。これも仕方ないかなと思いますよね。
以上です。
絶好調だったようですが勝利投手になれずに残念。