2018年7月26日にABCラジオで放送された阪神タイガースvs.広島カープの野球中継でこの日に解説をしていた前阪神タイガースの投手コーチで1軍で指導をしていた中西清起が初回に大炎上してしまった藤浪晋太郎のどこに問題があるのかABCアナウンサーの伊藤史隆と共に語っています。
この日は雨により試合開始が1時間10分遅れての先発でした。
藤浪の投球内容は初回に2安打4四球の大乱調で1アウトしか取れず降板となりました。
アナ 中西清起さんに藤浪投手の現状を見て、ここからどうあってほしいのかというところを伺いたいんですけど、どうでしょうか?
中西 うーん。今日の投げ方では本当に勝てないでしょうね。技術的には腕が横振りというか、上体だけで腕を振っていますから。縦に腕を振っていかないとね。
アナ はい。
中西 まあ、雨で試合開始が1時間10分遅れて、試合への入り方が難しいところがあったかもしれないですけど、それを差し引いても、まず技術的なことですよね。今日は軸からもだいぶ手が遠くなる。それでいて横回転しているということで、もう下半身が全然使えていない状態なんで、そのへんのところをしっかりとフォームを固めていかないとメンタル的な弱さというのが出てくるでしょうね。自分自身でも不安な気持ちが出てくると思うんですよね。
アナ まあ、プロ野球の選手にこんなことを当てはめていいのか分からないんですけども、あれだけ良い内容のピッチングをしていた人が、自分のフォームが分からなくなることはあるんですか?
中西 あります。
アナ うーん。
中西 またちょっとしたことで自分のフォームを掴んだりもするんですけども。ただ、今はその迷いが長い状況になっているんで。まあ、しっかりと技術的にやっていかなきゃいけないんじゃないですか。
アナ 心の悩みがどうなんだろうか、なんて見方もありますけど、今の中西さんのお話を伺っていますと、もう一つ手前にある基本的な部分ですよね。
中西 はい。
アナ 投げるというメカニック、技術というところが崩れてしまっていると。
中西 そう。そこが崩れているから自分自身も不安なんですよ。
アナ 技術が先になるわけですね。
中西 そうですね。メンタル的にどうのこうのなんてね、そんな高校野球で春夏連覇したピッチャーが弱いメンタルなんてしていないと思いますよ。
アナ そりゃそうですよね。
中西 だから、技術的に自分で試行錯誤しているんで、そこで合わなくなった時に『あれ?どうしたらいいんだろう?』という感じの、そのへんの修正の仕方を分かっていないと思うんですよね。
アナ はい。
中西 キチっとしたフォームが自分の中で分かっていないんで、それを修正しようとしても自分の中に正しいモノが見つけられていないので無理ですよね。
アナ まあ、原因の一番最初の部分を探っていくと結局は『もう自分はどんな状況でもこのフォームで投げられる』っていう技術に確信があるかどうかっていう。
中西 そうです。それが自分の中に無いから不安になるんです。
アナ 中西さんが見る原因というのはそこなんですね。
中西 はい。
以上です。
自分の中で正しいフォームを見つけられていない。修正しようにも何を修正したらいいのかも分からない状態ということです。